焼肉の話|マガジン♯160

今日は焼肉の話を書こう。

あれは遡ること2ヶ月前、彼氏が仕事で関わっている人と焼肉を食べるとのことで、彼の仕事について何も知らない私も連れていかれた。それはそれは滝汗冷や汗涙汗案件である。緊張通り越して恐怖である。きっと何も気にしない人なら、美味しく焼肉を食べるであろうが、めちゃくちゃ気にする私は、肉がほとんど喉を通らない会になった。

一体どこを気にするのか、君たち陽キャラには分からないだろうから説明をしよう。

まず、肉の焼き方である。「適当に横で肉焼いてたらいいから」と彼氏は言ったが、いやいやいやいや…そういうわけにはいかない。

初めに誰が一番偉い人か見極めなければならない。偉い人から優先的に肉を渡す必要がある。しかし、「この中で一番偉い人ってだれー?」とバカ丸出しな売れないキャバ嬢のように聞くわけにもいかず、自分で判断しなければならない。各々が誰に一番気を遣っているか、誰が一番誰にも気を遣っていないか、言動で読み取り、その人が一体どれくらいの焼き加減の肉を食いたいのか見極める必要がある。

次に各々の食事ペースのリズムを崩すことなく肉を運ぶ必要がある。食べるペースが遅い人や早い人、また肉を食べるペースが全員遅くなった後半には大皿に置いてビュッフェスタイルにしていく必要もある。

コミュニケーション能力がゼロの私は、肉を焼きながら一つの壁に直面した。

辛いタレと甘いタレとどっちに入れたらいいのだろうか…ということだ。

これは小声で肉を持ったまま聞き、素早く肉を渡すしかない。しかも話の邪魔をしてもよくない。決して目立たず任務を全うする必要がある。

仕方なく意を決して焼けた肉を持ちながら「あっこっちで…」「いいすか…はい…」と今思いついた演技をしながら肉を入れ続けた。

それと同時にスマホが鳴る。忘れていたが、私は代理店のオーナーなのだ。63人くらいの所属の子の面倒を見ているので、一日中ラインがくる。何かしら来る。休みの日とかガン無視でラインが鳴る。

今肉焼いてるんだよ!!!とも言えず、光のはやさでラインを返しながら肉を焼く。その行動に彼氏が気付き、トング持って焼き始めた。

その肉の返し方の早いこと早いこと…。えっそれが正解!?それが正解のテンポ!?そのペースがいいの?もう肉を返してるってより肉を回転させてるじゃん!それ!回転させるの!?

彼のトング使いに目を見張っていると、多分一番偉くない人(失礼)もトンガを持ち始めた。いや、私の仕事を取らないで…ついさっきまで肉焼くとか難しいとか考えてたけど、仕事がなくなると「お前なんでここにおるん?」って言われてる気持ちになるから仕事を取らないでえええ!

彼がトングを置いた瞬間、奪うようにトングを持ち、回転式のやり方で焼き続けた。そうこうしていると、海鮮類も到着した。貝類を焼き、一番偉いと思われる人に渡すと「きもいからいらない」と言われて、怯える私。きもいってなんだよ!貝に謝れよ!ちなみにその方は、ホルモンもキモいからと言って食べていなかった。とにかく、ぶにゅぶにゅしたものが嫌なんだな。

そういえば、今熊本の帰りだが熊本のうちのランカーはぶにゅぶにゅしたものばかり食べてたな…コラーゲンとか…魚の目とか…だからめちゃくちゃ肌綺麗で美しい人だったんだな…。



以上何のオチもない焼肉の話である。。。

オーナーの休日は焼肉を焼く時間となっていますので、連絡はしてこないでください…。スタッフ3人もいるんだから、そちらによろしく…。



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