旅行してーなー…
精神障害者保健福祉手帳を取ってから10年ちょっと経つ。
あの頃はこれまでのように働いたり遊んだりできなくなるんだろうな…と悲嘆に暮れていた。
特に諦めたのは旅行だった。
実際問題、まず収入がない。
働いてみても余裕がない。
さらに薬の影響で朝が猛烈に弱い…というよりほぼ活動不可だからホテルなどのチェックアウトが守れそうにない。
こういう状況だと日帰り旅行すら朝が早すぎて難しかった。
どうしても行きたいところがある時は数日前からコンディションを整えて、それでも最終的には当日にならないと分からないから、
かなりつらかった。
カミさんがそこを理解してくれてなかったらどうなっていたのやら…。
だからピアサポート関係で遠出の誘いを受けると断らざるを得なくて何度も悔しい思いをしてきた。
それが2018年の後半から寛解したことでガラリと変わった。
まず薬を最低限にしたので頭を押さえつけられていたようなモヤモヤが消えた。
さらに6時間ぐらい眠ればスカッと目が覚める。
ここ数年、よほど早い時間じゃない限りアラームいらずになったくらい。
(加齢によるものじゃない…みたい)
そうなると俄然、活動時間が延びる。
どんと来いチェックアウトだ。
が、しかし収入は相変わらず…超低空飛行なので旅行は難しいままで無理に稼ごうとすれば元の木阿弥で振り出しに戻ってしまう。
そっちの方がどう考えてもしんどいのでぐぐっと堪えていた。
そんな折、以前から参加していた精神障害者の恋愛支援プログラムを北九州で開催することになり、わしは仲間と現地に飛んだ。
その辺のお話はここにまとめてあるので暇つぶしの暇つぶしにどうぞ。
この研究が終わった2023年からわしは今の中間支援組織で働き始めた。
双極症だけじゃなくて線維筋痛症のこともあるのでそんなにガッツリ働けるわけではないからこの年は日帰りで熱海に行ったくらいで遠征もなく横浜周辺でカミさんと過ごしていた。
まぁ相変わらず所得も低いし(慣れちゃった)旅行というのはある種、誰にとっても贅沢になってきたし、
それもカミさんと2人で決めたことなので受け入れながら過ごしてきた。
できれば実家には行きたいけど飛行機に乗らないと無理なのでこれまた難しい。
カミさんと行くなら早割などを使ってシーズンオフを選ばないと往復のフライトだけで軽く10万を超えてしまうからパックで海外に行くほうが安いという恐ろしい現象が起こる。
近くて遠い我が故郷…。
まぁだったらバリバリ働くなり稼ぐなりすれば解決っちゃあ解決だけど、
そうなったらなったで旅行に行く時間を捻出するのが難しくなるかもしれない。
たぶんわしの体調を考えるとほぼ不可能。
だからなかなか旅行というのはハードルが高いまま。
今年はありとあらゆる物が値上がりし続けているから余計に遠のいていた。
そんな中でも今年の2月に名古屋で開催されたリカバリーカレッジ文化祭には行ってきた。
もともとハマッチャに参加している仲間の
「かけるんさん」がリカバリーカレッジの運営メンバーでもあり、大田区を中心に活動しているポルケのリカバリーカレッジおおたに二度ほどお招きいただいていたこともあってずーっと関心があった。
そんな時にポルケの山田さんから当事者主体で運営しているハマッチャに参加してほしいと依頼があり、わしはほいほーいと2つ返事で引き受けて日帰りで名古屋に行く予定を立てた。
そこにあいりきから救いの手が差し伸べられて宿泊費を出してもらえたのでついでに観光をしてきた。
どんと来い早起きなので午前中に名古屋入りして名古屋港水族館でのんびり過ごして寿がきやの白を堪能してきた。
いやはや神様仏様あいりき様である。
で、まぁこういう遠征の話というのはしょっちゅうあるわけじゃないから、
今年はまぁこんなもんでしょと思いながら仕事をしたりピアサポートをしていた。
そんな折、8月に大阪へ行くことになった。
事情はまだ明かせませんがまぁまぁなかなかの依頼でカミさんも一緒に行けるので食い倒れ計画を立てている。
さらにオカンから連絡があり今年の秋にでも2人で遊びに来いと。
言うのは簡単だけど…と思ったらフライトは用意するから帰ってこい!と。
今年、祖母が逝去した際に見送ることができなかったからそれも兼ねて秋ごろに帰省する方向で話を進めている。
ま〜ことごとく他人のお金である。
みっともないなぁ…情けないなぁと思う反面、好意を素直に受け取らなくなったら人間オシマイだと思っているしボケ~っとしてる訳ではなくあれこれやっているから招いてくれたりサポートをしてくれる。
半分は仕事でも半分は旅行みたいなことができるようになった体調を維持できているからには素直に楽しもうと今は思う。
とは言いつつできることならもっとあちこちに純粋な旅行をしたいと思う。
ルーツが九州人なのでまだ見ぬ大分、佐賀、長崎には行っておきたいし、
四国には未上陸のままなので坂本龍馬の隣で
「ピアサポートの夜明けぜよ」とか言ってみたい(しょーもねぇなぁ…)
と、挙げていくと全都道府県に行きたい場所があるのでやめておくけど、
どうにか格安プランなりであっちこっち行けたらな…と思いつつ独りだとやっぱりつまらない気がする。
さらに1人だけ楽しんでるとカミさんに対する罪悪感も湧いてしまう。
なのでやっぱりカミさんと行きたいのがわしの切なる希望なんです、はい。
何なら場所よりも「カミさんと旅行に行く」ことが大事なのかもしれない。
最後にカミさんと印象に残っている旅行のエピソードを残しておこう。
言うまでもなくのろけ話だぜ!
あれは2008年のこと。
当時わしはバイトから契約社員になって馬車馬のごとく働いていた。
そんな折、布袋寅泰さんが東大寺でワンナイトライヴを開催することになった。
旅費のこともあるしどうしようか迷っていたけどこの日に行かなければ二度と観ることは出来ない。
それはいつか必ず後悔する。
だからわしはチケットを2枚買ってカミさんと行くことにした。
予算的に新幹線も飛行機も使えないし、泊まりで行くのも難しい。
ってなわけで高速バス2泊の強行軍で奈良へ向かった。
横浜から高速バスで早朝の京都に着いて京都タワーの公衆浴場でひとっ風呂。
昼間は清水寺や六道珍皇寺をお参りして夕方に東大寺へ移動した。
ライヴの開演を待って並んでいるときだった。
カミさんから「結婚しようね」というプロポーズを受けた。
もちろんわしはもっと前から伝えていたんだけどカミさんから改めて言われると何だか重みが違った。
実際に結婚できたのはさらに3年の歳月がかかったけれど、
この日、カミさんからプロポーズされたことで改めてカミさんと幸せになろうと決めて今がある。
こういう経験があるからカミさんと旅行に行きたくて仕方がない。
知らない街、景色、食事…
旅行でしか味わえない2人の時間は何にも変えられない。
だから必ずまた2人で旅行に行こうと思う。
2人だけの力で。
2人だけの財力で…というのが何とも情けないけれど(つーかわしだけ)
時間はかかるけれど、時間をかけてでも楽しい思い出を増やしていきたいじゃない。
それがわしにとって生きる意味のひとつだし。
よーし…
それなりにほどほど、かつテキトーに頑張ろっと。
というわけでお付き合いいただきありがとうございました。
ハンパなく暑い日々が続くのでご自愛くださいませ。
では…アディオース!