澁澤龍彥訳マルキ・ド・サド著『ソドム百二十日』読了
悪名高き淫虐の聖書。
詳細な登場人物紹介が終わったところでいきなり「ゾロエと二人の侍女」が始まり面喰らった。
この角川文庫版が序章部分のみの抄訳で、そもそも原本自体未完であると知ったのも読み終えてから。
長大な序章はほぼ登場人物の紹介に費やされ、最後にはご丁寧に一覧表まで載っている。
併録のゾロエは偽作ながら当時の風俗事情を窺う資料的価値の高さにより採録され、また原文のサド本人との違いを比較検討できない自分には、普通に下世話な醜聞譚として楽しめた。
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