ジョージ秋山『傑作未刊行作品集001銭豚』読了
「愛だけが無い」銭ゲバアナザーストーリー。
主人公は電気屋の娘で高校生。
序盤〜中盤は言わずもがなの高利貸し蒲郡風太郎との爛れた関係をある意味教科書通りの筆致で描くが、本作は真実の愛を求めて当て所ない逃避行に出る後半を本編と見るべきだろう。
五千万円入りのトランクを持つさすらいの少女を待ち受ける、裏切りと受難の連鎖。
蒲郡は現れなくとも、金と肢体に目が眩んだ男たちは容易に銭豚と化す。
豚の交尾に象徴される比喩表現は却って真の姿を晒け出すようで、救いやカタルシスを超越したラストの無情は無常観すら漂わせる。
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