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職場でのパニック1#16
その日は先輩と遠方への出張で、朝から先輩の車で出ていました。出張先での仕事は午前中に現場会議で、午後からは近くのお客さんとの打ち合わせという流れでした。いつも通り、現場での打ち合わせをしていると、あー…やばい、これは来そうだなタイムが始まりました。
会議という束縛空間からの脱出
先輩からは調子が悪くなったら退席してもいいよと言われていたので、この会議から退席しようかしまいかをぐるぐる考え、考えている間に倒れ込んだらまずいな…早く…早く…出ねば…と焦りも出始め、隣に座っている先輩にメモを見せ、何事もなかったかのように退席し、別室に入り座り込みました。まずは薬、デパス、デパス…と焦りながら放り込み、ゆっくり深呼吸。そうしている間に、なんだか情けなさから涙が溢れてきて、声を出さずにしくしくと泣いてしまいました。
パーティションはありましたが、部屋の奥には別のPC作業をされていた方がいらっしゃり、会議中に突然、私が入ってきたこと、座って泣き出したことに、妙にテンパっておられ、しばらくしてから「大丈夫ですか?体調悪いんですか?」とお水を持ってきてくださいました。泣いたことと、失礼ながら、その方のおどおどとした様子がおかしくて、「大丈夫です。ありがとうございます。」と話したときには、あの焦燥感がやわらいで、薬が効いてきたかなと落ち着きを取り戻しました。ただ、また会議に戻る気も起こらず、泣いた顔も見られたくないし、と、そのまま別室にとどまり、作業中の方には申し訳ないなと思いつつも、「え?何?なんで泣いてるの?!」と聞こえてきそうな空気の中で午前中を過ごしました。