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2/1(土)ビブリオバトルログ@ヨコハマ読書倶楽部

テーマは「道」。
選書上の解釈は自由とのこと。

会場は横浜市の波止場会館。
会議室からの眺望が良い。クルーズ船が停泊するための大桟橋が見える。
今回ビブリオバトルはバトラー3名・観戦者3名の6名。
発表順と紹介本、勝敗は以下の通り。


①『悲しみの秘義』若松英輔 ナナロク社☆②『本日は、お日柄もよく』原田マハ 徳間文庫
③『路上観察学入門』赤瀬川原平・他 ちくま文庫

以下感想。

①発表前に「私の発表もぐだぐだですが……」と前置きしていたがとんでもない。仮フランス装や見返しの絵についてから始まり、人生の道標になるような本というのは自然と愛着を持たせる造りになるのだと納得させられる綺麗な着地。優れた読書家にはみんな頼りにできる書店があるんだな、とも。バトラーさんが本書に出会ったという荻窪の『Title』さん、今度行ってようと思います。

②あらすじを追いながら、主人公の女性の心情や成長、スピーチライターという特殊な職業について読んだ時の心情を織り交ぜるように語る発表。
丁寧に言葉を選ぶ語り口と、質疑応答の際に語られた「紹介本と出逢うきっかけ」のエピソードの兼ね合いが一つの絵のように完璧過ぎたため、あたりの水は浄化され、大地に若芽が萌え、空に小鳥たちが翼を広げる。世界に平和が訪れた。すなわち勝敗はここに決した。

③勝つつもりで参加はしていますが、基本的にはこんなネガティブエンジン激積み怪人でも普通にバトラーやってるじゃん、誰でも簡単にできそうじゃない、と思っていただいて参入障壁を低くするのが役割だと考えています。お前は鰈だ。泥にまみれろよ

本に関して補足を述べるならば、トマソンや建築探偵に連なり、現在では様々な路上観察趣味へと発展していく路上観察学界隈の1986年当時でのオールスターキャストが各々話題を持ち寄ったアンソロジーと言った趣です。
南伸坊がさかい橋付近の川の漂流物を観察している時に、○○を見つけた話がすごいインパクトあって使いたかったけれど、ちょっと時間配分間違えました。あと結果使わなくて良かったということもある。


……というわけで、②『本日は、お日柄もよく』がチャンプ本に。おめでとうございました。

終了後、昼ごはんと帰宅がてら観戦者の方ともお話できてよかったです。
色々な人が色々な企図によって色々なことをしている中で、自分があえて何かはじめることについて考えさせられたり。
自分で考えて何ごとかをしている人を見ると、あまりの眩しさで目が潰れてしまいそうになる。世界を巡るPDCAサイクルから外れた場所に私はいるという実感だけが確かに存在している。

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