日本から持ってきてよかったと思うもの。地球にやさしい暮らしは旅をしながらでも出来ます
リトアニアに来て、早くも半月がすぎました。今週末には新居へ引っ越します。
まだまだ来たばかりとはいえ、少しずつこちらの暮らしにも慣れてきました。が、やはり新たな環境に来たばかりの頃は特に、色々と不安も多いもの。
わたしは慣れない環境に身を移すとき、必ず”自分が落ち着くと思うアイテム”を持っていくようにしています。それが今回のタイトルの「持ってきてよかったと思うもの」に直結していきますので、この記事では主に、わたしが普段から使い慣れたものアイテムを中心に、日本から持ってきてよかったと思うものを紹介します。
この記事を見ている方全員にとって参考になるかどうかは微妙なところですが、普段の暮らしに活用できることも少しずつ述べるつもりです。
よかったらぜひ、見てみて下さいな。
(冒頭の写真にある2つのマクラメネックレスは、それぞれ知り合いの職人さんによるもの。どちらも使いやすく、石の意味合いも含めてお気に入り。今回リングは持ってこなかったけど、これは以前リトアニアで購入した、現地アーティストさんによるもの)
その1:日本で出会った作家さんのカップとカトラリー
まずはこれかもしれない。やはり、手仕事のぬくもりは人を落ち着かせてくれます。
(昔の写真なので、カップがない&青いお皿は今回持ってきていないけど、ノルウェーで購入したARABIAのボウルです。これも便利)
桜の木でできたカップは、たしか静岡の職人さんが作ったもの。ガラス釉薬が塗ってあるのでとても丈夫。形は、北方先住民族サーミの作るものにちょっと似ている。
取っ手部分がたっぷり取ってあり、掴みやすいしバックパックなどにぶら下げて持ち運ぶのもいいかもしれない、と思って、去年住んでいた千葉の併設ギャラリーで購入。
スプーン類は、千葉で出会った職人さん(彼の本業は百姓!)が楓の木で丁寧に彫り上げたもの。奇跡的にひとつだけ売っていた左利き用のヘラスプーンは、フルーツやアイスを食べるのにちょう便利です。リトアニアにも木を使った手仕事がたくさんありますが、やはり日本の手仕事の丁寧さはスバラシイ。
ストローは竹製で、なんと前職の同僚が作りました。竹ストローは制作工程がしっかりしていないとかえって不衛生なものになってしまいかねないのですが、こちらは趣味とは思えない高クオリティです。脱帽。
カットボードは、小さめなのでお皿にもなるし、まな板がないときはこれを使います。静岡で出稼ぎしていた時期に住んでいたアパートは、調理道具が一切なかったので、写真のセットで8割がた何とかしていました。
このほか、もちろんお箸もあります。マイカトラリーは、普段の生活にはもちろんのこと、お出かけの時に持ち歩いていれば、外食の時なんかに使い捨て容器・カトラリーを無駄に使わなくて済むので、とてもおすすめです。
何より、木や植物の持つあたたかさを活かした丁寧な手仕事が身近にあるだけで、住み慣れない地でもほっと一息付ける瞬間が多くなります。使い慣れたものだから尚更。
その2:日本の食糧(有機食材を中心に)
リトアニアでも、醤油などは、わりとどのスーパーでも手軽に購入できます(日本でも有名な某社製がほとんど)。
大きなスーパーやオーガニック系ショップにいくと、もうちょっと幅が広がります。ポン酢とか梅酢まで売っているところまで。でもやっぱり割高だし、たいて、原産国は日本ではないので、どこまで本物の味なのかな~と疑わしくもあります(まだ試していないので何とも言えませんが)。
何より、お値段は日本で買うよりも高め。きっと後々に買い足すときは、これらにお世話になる日が来るでしょうが、わたしは「食べたものが血肉になる」ことを意識したいので、今回は日本からできるだけ食材を持ってこよう!と思って用意してきました。少しずつだけどね。
以前、別の記事にもすこし書きましたが、今回持ってきたものは 味噌、醤油、三年番茶、切り干し大根×2パック、白いりごま(以上すべて有機) + のり、昆布、海藻類(ひじき&わかめ)、梅干し×小2パックを持ってきました。特に、三年番茶と梅干、ひじき、切り干し大根はこっちには基本ないので、多めに。あとは、飛行機での移動中に食べたくなるかもしれないと思ったので、ストックしていた有機レーズン&いちじくも。
最初の2週間はスタジオを借りていたこともあり、自炊する日がほとんどでしたが、さっそくほとんどの食材を開封しました笑。特に味噌と醤油、切り干し大根の万能さよ。ゴマもふりかけて食べたりしています。
やっぱり日本人ですので、母国の美味しい食材を口にするだけで、心が和らぎます。
ホッとしたいときに、簡単なみそ汁やマクロビの定番・梅醤番茶を口にできると、ほんとうに落ち着く。1年だけだし、いらないかな?とも一瞬思ったけど、やっぱり持ってきてよかったです。
その3:編み針と裁縫セット
これは、わたしの仕事?生業?趣味?柄、絶対に必要な道具たち。
編み針のほとんどは、ノルウェーで始めたこともあり外国製です。素材や太さもさまざまですが、持ち運びができるコンパクトなlykke の付替え輪針セット(白樺+コーティング)が便利。細かいものを編むときは、ノルウェーで購入したPT designの細い輪針を愛用しています。
最近買ったかぎ編み針は、Knit Proの白樺製。個人的に白樺の木が好きすぎて、白樺と聞くとつい手が伸びてしまいます。
裁縫セットは、お手製です。使い古したふにゃふにゃのリネン布をリメイクしましたが、あまりにもふにゃふにゃで心許ないレベルだったので、こちらに来る前に厚めのコットン生地を芯材代わりに追加しました。こういう型を以前どこかで見かけたんだけど、高くて手が届かなかったので作ったという。
表地の色は、千葉に住んでいたときに拾い集めたクサギの実に、コーヒーか巣の茶色を重ねました。クサギは色が抜けやすいのでだいぶ青味がなくなってきましたが、まあまあ。
普段の手仕事のほか、服がほつれたり破れたりしても、ささっと直せます。糸もすこし持ってきたので、ダーニングも出来ちゃう。けれどそれは、冬のおこもり仕事かな。
その4:天然の素材と染、手仕事によるヨガマット
(単体の写真がなかった。かごはラトビアの民芸市で手に入れたもの。こちらでもまた、かご探しをしたいと思っています)
要はヨガマットなのですが、こちらはちょっと特別。
これも、わたしが千葉にいたときに購入したのですが、ギャラリー展示に来てくれた「いのちのころも」さんの、アーユルヴェーダ染めヨガマット。
アーユルヴェーダの話は特にここではしないけど、よく食や医療に用いられる言葉のイメージが強いですが、もともと薬などに用いる「服用」という言葉が衣服など身に着けるものから由来しているように、ヨガマットなど肌に触れるものにも当然その効果はあると考えられています。
植物の持つ薬効を込めた色を布に移す、という営みは、日本でも古くからおこなわれていますが、インドのアーユルヴェーダ染めはまさに、薬効を意識して調合された染料で染められています。すごいね。
しかも、これのすごいのは、染めはもちろんですが、職人さんによる手織りであること。裏側は天然ゴムが塗ってあり、滑らないようになっています。
わたしは実は、特にヨガはしないのですが(おい)、このマットの上にすっわっているだけで、気持ちいい~、ってなるのが好き。
ヨーロッパでもヨガは流行っていますが、基本的に床の上に座って生活する習慣はないので、今回このヨガマットは絶対に持っていこうと決めていました。
そして、仮ぐらしをしている今、これは大いに役立っています。普通のラグの上も気持ちいいけれど、気持ちを改めてストレッチとかするには、やっぱりヨガマットがあるほうがいい。自然素材で肌触りもいいし、落ち着きます。今リアルタイムで、このヨガマットの上に座って記事を書いています。
よく、旅にヨガマットを持っていく人の話は聞いていたけれど、確かにこりゃオススメです。ヨガしない人でも、床に座るという習慣は日本人を無意識に安らぎへと導いてくれるようにも思います。
その5:必要最低限+αの衣服と下着
これ、当たり前っちゃ当たり前なんですけどね。でもここでわたしが言いたいのは、やっぱり普段身に着けていて心地のいい服・落ち着く服はある、ということです。
今まで、ノルウェーのワーホリ時には後から送る荷物の中に衣服を入れたがために最初の1か月半くらいは必要最低限すぎる衣服で過ごすことになり、ちょっと気分が乏しくなってしまいました。短期旅行なら別に問題ないのですが、これから色々と準備したりやることが多い中で、やっぱりお気に入りの衣服はあった方がいいと思います。
ちなみに、これも個人の意見ではありますが、普段から肌に身に着けるものは、自然素材がいいです。特に移動が多い日なんかだと、化繊は蒸れて気持ちが悪かったり、めっちゃ着こまないと寒いこともあります。
自然素材は、特性をよく知って使い分ければ、どんな時でも快適に過ごせるし、傍から見て「薄着では・・?」と思われそうなくらい重ねる枚数が少なくても、けっこう暖かくできたりもします。着回し次第で、どの季節でもいける。
わたしの衣服は、リトアニアリネンを扱うリトアニアブランドによる割合がかなりを占めているのですが、そうだとしても着慣れているという点は大事。一日中おうちにいるにしても、テキトーなジャージやスウェットでいるより、気持ちがより健康に保たれるし、ちょっと心配なことがあっても、気分良く過ごせるような気がします。
それに、リネンは速乾性・抗菌性に優れているので、お洗濯の乾きも早く、短期滞在中の洗濯機がない環境でも、すぐ乾きます。
世界中のどこにでも共通して言えることですが、今の時代、安く手に入れようと思えば何でも現地で調達はできます。それでいい、というものも確かになかにはありますが、衣服類、特に下着は日本人にはちょっと合わせにくいモノもあるし、安物はどうしても長持ちしないので(すぐに伸びちゃったりとかね)、長く着られるものを持ってくるのがおすすめです。
何より、化繊ではなく自然素材を選び、多少破れたりしても直しながら長く使うことで、地球にやさしい暮らしが実践できるのもいいよね。
あ。あと、北欧の夏は短い&意外と涼しいので、ノースリはあんまりいらないかも。
その6:生理用品(月経カップと布ナプキン)
こちらは主に女性限定の話になりますが、とても大事なことなので書きます。
今回、出国の前日になって生理がやってきました。タイミングよ。
体調の心配はもちろんのことですが、問題は長時間の飛行機移動。タンポンも紙ナプキンも頻繁に取替えるのは面倒だし、布ナプキンだけだと、取替えた後も洗うタイミングが、ね。
わたしは、生理時のナプキンの取替えが大嫌いです。何度もあの血生臭くなったナプキンを触るのは、かなりのストレスでした。
そこで、去年くらいから始めたのが月経カップ。欧米ではすでに話題ですね。
シリコン製の小さなカップを付けるだけの、とってもシンプルなもの。おまけに、12時間替えなくてもいいんです。値段は少し高く感じられるかもしれないですが、これが2年くらい(ちゃんと手入れすればそれ以上!)ずっと使えるなら、むしろコスパいいんじゃない?と思います。
とはいえ、わたしは生理の前半は量が多い方でたま~にちょっぴり漏れていることがあるので、多い日の夜や、外出する日なんかは、念のために布ナプキンを付けます。紙でもいいけど、肌触りは布の方がいいかな。
今回、このタイミングの長時間移動(30時間くらい)に、この月経カップ+布ナプキンの組み合わせは、大いに役立ちました。
布ナプキンの上には、使い古したシルクの冷取りソックスを切った端布を挟んだので、蒸れることなく常にサラサラしていたし、最後は洗わず捨てることも出来たので、より楽ちんでした。
今までの旅でも生理がかぶることが何度かありましたが、当時まだ紙ナプキンを使っていたので取替えるタイミングも多くはないし、ストックをあまり持ち込めず、蒸れて気持ち悪くて仕方なかった。ですが、今回はあの悪夢は一切なく、終始快適。
今回、月経カップを変えるタイミングは飛行機の中が一番よかったです。トイレと洗い場が一緒についているので、ささっと洗えて便利でした。
ところで、月経カップも布ナプキンも、費用が・・と思う方もいるかもしれません。
ですが、紙ナプキンやタンポンを買い続けることを考えるとこの方がず経済的にも助かるし、洗って繰り返し使えるので環境にも優しいし、何より付けている間の違和感がほとんどありません。紙は蒸れやすく、わたしは気持ち悪いので苦手です。
月経カップですが、わたしはデンマークの会社・Organicupのものを直輸入で購入しました(北欧語がすこし読めてよかった・・)。当時の同僚たちの分も一緒に買ったので、当時のキャンペーンもあり送料無料+割引が効いて、1個2000円くらいだったと思う。安。
本当に一番最初だけは、慣れないせいでちょっと痛いけど、慣れさえすればむしろ取り替える手間が省けてちょ~~~~快適です。
だし、個人的には、カップに溜まった血の量をみて「わたしの身体からこの量の血が出ているんだな~」と毎度素直に感心しています。自分の体のことを知るのは、自分の人生をより楽しむためにも大切だと思います。
月経カップは、さまざまな会社から発売されています(日本はまだないかも)なので、自分の整理の経穴量などによってカップの大きさが選べるし、ものによってはカラフルな商品もあるよ。お気に入りを見つけてみて下さいな。
布ナプキンは、日本で買いましょう。海外ではまずないです。わたしは肌着類も含め、ほぼしるくふぁみりぃさんにお世話になっています。
一緒に、ちょうどいいサイズで蓋が密封できるタイプの琺瑯タッパーと重曹(ソーダでもよい)があると、旅先ですぐに洗えるので便利です。
以上、一部商品レビューみたいになっている箇所もありますが、インフルエンサーでも回し者でもないです。個人の感想として受け止めて下さいな。
冒頭でも少しふれたように、総じて”普段の暮らしで慣れているもの”を持ってくると、新しい環境に来ても安心できる要素が増えていいと思います。
とはいえ、荷物にも限度はあるでしょうから、バランスは考えつつ、ね。でも、今回のわたしは100Lスーツケース&40Lバックパックで来ていて、追加で日本から送る荷物はないので、持ってこようと思えば十分持ってこられる量ではありました。
元々、かなり必要最低限のもので生活しているし、化粧・ボディケアなどは基本しないので、そのへんの荷物が全くないのも大きいかもしれません。
そして、個人的に大切なもうひとつの要点は、できるだけ自然素材を選ぶこと。もしくは、セカンドハンドや中古品でもいい。
衣服や日常遣いの道具だと、ものによっては少し値が張ることもあるかもしれませんが、使い終わった後に土に還せるものがいいよね。自分たちの未来のため、地球のためにも。
それに、自然素材は機能性も優れているので、きちんと選べば長く使えます。長く使うことで愛着が湧き、それが自然と自分にとって使い慣れたもの=安心できるもの、になっていくでしょう。
色々と紹介したくて書いたら、長くなっちゃった。ここまで読んでくださり、ありがとうございます。お引越し、楽しみだな。