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夜の静けさ

私は悩み事があると
夜の静けさに思わず心を引きずり込まれてしまう。


最近の夜の過ごし方は
ヘッドホンをつけて音楽を聴き、
部屋の窓から見える見慣れた町の灯りを眺めること。


私の住む町は今夜も雨。

" この間、家の前を歩いてた猫、濡れてないかな " とか
" 雨だと一段とここは静かだなあ " とか
何でもないこと考えていたつもりなのに、
気がつけばもっともっと深いことばかり考えている。

きっとそれは心の中が暇だから。
心が満たされていないから。

なにが足りないのだろうとよく考える。
結局いつも答えは出ないのだけれど。


「スタバ行く?」の一言でバイト終わりに、
ひたすらお互いの気が済むまで話せる友達もいる。

「ラーメン食べに行く?」って誰かが言えば、
何故かテンションがグーンと上がる仲良し3人組もある。

「今、なにしてるの?」の電話をかけてきて、
気づけば家の前まで迎えに来てる幼馴染もいる。

「会いたい」と言えば、
稀にだけれど会いにきてくれる恋人もいる。

「ただいま」って家に帰ると「おかえり」って
出迎えてくれる家族もいる。

これだけあれば十分に足りている、はずなのにね。
私はなにを欲張っているのだろう。


過去に置いてきた何かをずっと引きずっているのかな。

五味太郎さんの『がいこつさん』という絵本に
迷い込んだ気分になっている。
私が忘れているのは歯磨きではないけれど。


気がつけば、雨が止んでいて、
郵便配達のバイクの音がする。

もう寝ないと悩み事を朝に持っていってしまう。

今夜も何も答えは出ていないけれど、
それはそれでまた明日考えてみようね。

おやすみなさい。

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