認知症のおばあちゃん、折り紙が得意
noteにもこれまで何度か登場したわたしのおばあちゃん。
名は、えみこ。
3年程前に”認知症”と診断された。
運転も、料理も、洗濯も、自宅の場所も、家族の名前も忘れたけれど、
”折り紙”が得意だ。
”折り紙”というより、家で余っているチラシで作る”ごみばこ”。
おばあちゃんはもともと器用で、わたしたち兄弟、従妹たちは幼い頃から皆、”おばあちゃんの知恵袋”に圧巻され、たくさんのことを教えてもらった。
その中のひとつが、この”ごみばこ”。(下記写真、参照)
以前は、折り方や形もいくつかのパターンを披露してくれたが、今はひとつだけ。ひとつのことを極めるのは素敵なことだ。ごみ箱にパターンなんて必要ない。さすがおばあちゃんや。
何と言ったって、とにかくそのスピード!!!!!
おじいちゃんが1個折る間におばあちゃんはもう3つ目に差し掛かる速さ!!!
普段は控えめでどんなときもおじいちゃんを立てるようなおばあちゃんも、このときばかりはプロの目をしている。おじいちゃんに指図だってする。
おじいちゃんも厳しい人だが、根が素直なため
「ここの折り方は合っているか?」
と”ここは国会かな”と思わせるような面持ちで確認をするものの、
「こうしたらもっと上手にできるのよ?」
と指導されたら
「よし、もうわかったぞ!おれはできる。」(なぜか上から)
と受け入れる2人のやりとりも面白い。
(左下:折り紙プロ(おばあちゃん)奥:監督(おじいちゃん) 撮影:わたし)
なんならうちのおばあちゃん、よそ見をしながら折ることもできるんだから。
いつもの流れとしては、チラシをいい感じにおばあちゃんの周りにさりげなくセットし、最初は文字を読んだ写真を見て楽しんでいるが数分経って飽きてくると急にロックオン!おばあちゃんのスイッチが入り、おじいちゃんもお呼びがかかる。
そこからは何時間もひたすら折り続ける。
(真剣に折るうちのおばあちゃん 撮影:わたし)
とにかく折り続ける。
その間わたしは、飽きた時のためにお茶やお菓子を用意しておく。すぐに茶話会が開けるように。
大好きなアイスを差し入れし、
美味しそうに食べては
また折り続ける。
気づいたら、こんなに”ごみばこ”できてた。
予想を超えすぎた数を創造していたのでさすがに声出して、笑った。
そんな正月をおばあちゃんと過ごせたこと、わたしたちは幸せだよ。
おばあちゃん、また折り方おしえてね。
あ、しばらくは”ごみばこ”は大丈夫そうだよ。
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