不登校から大学編入を選択した妹
朝6:30に家を出て、空港に来ている。
妹が受験の為、県外に行くからだ。
歳の離れたわたしの妹はとても真面目で勉強熱心だったため、小学校中学校でも成績はいつも学年のトップをキープし地元で1番の進学校へ通った。
しかし入学してすぐ、父の病死で家族は傷つけ合い、環境が落ち着かなくなってしまい、いつの間にか妹は学校へ行かなくなった。
あれからもう3年くらい経つだろう。
高校は卒業し、まだ勉強に集中できるような状況ではなかったと思うが、とりあえず地元の大学へ進学した。
今は健やかでいてくれることが唯々嬉しい。
「もう勉強はいいや、とりあえず地元の大学行って就職とかすれば」
と言って受験勉強をする時間もなく通い始めた大学だったが、
心と体がやっと追いついてきて
「やっぱりちゃんと勉強して行きたい大学に編入したい!」
と言い出したのが去年だったかな。
家族として応援しないはずがない。
自分の道をしっかり意思を持って選択する妹を心から尊敬する。
今回は決断が少し遅かったため、本人も家族も「今年絶対受かるぞ!」なんて思っていないから、今年だろうが来年になろうが大差はない。
チャンスがある分は全部挑戦して、本人の選択を応援してあげることが最優先だと感じている。
もし、これを読んだ方が子どもの教育や不登校について悩んでいるとして、「こんな風に子供の意見尊重できてないな、ダメだな」なんて自分を責めないでほしい。
今こう思えるようになったわたしも、母も、
不登校で苦しい思いをしているのは妹本人だったのに、自分達の苦しさを埋めるために
「なんで行かないの!」「早く学校に行きなさい!」
と泣いて叫んだ日々も、車から引きずり下ろした日もある。
今思い出しても胸が苦しい。
だからとてもよく気持ちがわかる。
けれどやっと冷静になれて、妹が元気になってくれた今、あの日々をわたしたちはとても反省している。
これも今、元気な姿を見ているからそう思えること。
あのまま進んでいたら、わたしたちは全員で堕ちていたはず。
元教員の私や母ですら、自分の家族のこととなるとパニックになった。
子どもを変えようとする前に家族が変わる必要があると強く思う。
「学校に行けない」と判断した1.2年なんて、その後の何十年の人生からしたらほんの一瞬。その一瞬の中でお互い毎日精神をすり減らした傷つけ合う必要はない。
どれだけ本人の気持ちを聞けるか、今の状況を受け入れて時間をかけて向き合うことが何より大事なのではないかということは、妹が教えてくれた。
健やかでいてくれるだけで、充分。
今日も妹の挑戦を応援するだけ。
いってらっしゃい。