2.5次元を超えた2.5次元ミュージカル「デスノート THE MUSICAL」
こんにちは、N村です。焼肉の足音が聞こえてきそうな今日この頃。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
※焼肉についてはわたしのTwitter参照
今回ご紹介したいのは、わたしの激推しミュージカル「デスノート THE MUSICAL」である。
「えっ?デスノートにミュージカルなんてあるの(笑)」という反応については、この作品に対してかなり過激派なので、直接わたしに言わない方がいい。喧嘩になる。
ミュージカル「デスノート」とは?
この作品は、2015年に日本で初演された、ホリプロの「日本発ミュージカルで世界に行く」という目標の下、制作されたミュージカルだ。
原作はもちろん、大人気ジャンプ作品である「DEATH NOTE」(作:大場つぐみ/画:小畑健)。
映画で藤原竜也さんと松山ケンイチさんで実写化されたものも、大成功を収めている。
昨年(2017年)、待望の再演が上演された本作は、音楽をブロードウェイでもロングラン公演が行われた「ジキル&ハイド」等の様々な作品で有名なフランク・ワイルドホーン、脚本をアイヴァン・メンチェル、演出を国内の有名演出家である栗山民也氏が担当するなど、ホリプロがかなり気合いを入れて制作した作品である。
主役の夜神月役にはミュージカル界のプリンスと名高く、ストレートプレイでも活躍し演技力に定評のある浦井健治さん、最近では超話題ミュージカル「メリーポピンズ」でバート役をやるなど、実力派の柿澤勇人さんがダブルキャストで抜擢されている。
ストーリーとしては夜神月とLの部分にフォーカスしており、続編等の作れない形に改編されているが、原作ファンであっても受け入れられる作品である。実際、元々原作が好きでミュージカルも好きという声は公演中よく聞いた。
ちなみに熱く語っているが2015年、2017年と公演を行ったため、次にいつやるかはわからない。DVDもない(WOWOWで放送があった)ので、これを読んだそこのあなたは観れないかもしれない。
デスノートのここが最高①楽曲
フランク・ワイルドホーン氏の楽曲はとにかくかっこいいものが多い。ちなみにご本人はとてもキュート。
デスノート以外では、代表作の「ジキル&ハイド」や今年2月に上演された「マタハリ」も、楽曲が素晴らしい。
敵同士の役柄がぶつかり合うデュエットや、クライマックスで歌われる女優が歌うアリア等、とにかく素晴らしい。
デスノートにおいては、原作にもある夜神月とLがテニスをしながらお互いの腹を探り合うシーンでの「ヤツの中へ」やLが夜神月に自らの正体を明かす大学の入学式シーン「死のゲーム」、ラストの「最期の時」。この辺りのライバル同士がぶつかり合う楽曲がたまらない。観てる間は興奮して変な汗をかくし、良すぎて最早よく覚えていない。
今ヤバいやつだなって思った?わたしもそう思う。
その他、後述するが、クライマックスに死神レムが歌う「愚かな愛」も絶品だ。Lに捕まり、危機に瀕するミサを想って死神レムが歌う壮大なバラードである。
ちなみに、今作はミュージカルという性質上、ミサミサはアイドルの設定だ。
要するにフランク・ワイルドホーン氏のアイドルソングが聴ける。
巨匠フランク・ワイルドホーンのアイドルソングが聴けるのは「デスノート THE MUSICAL」だけ!
デスノートのここが最高②キャスト
先述した通り、主演の2人は数多くの作品で活躍する実力派俳優だ。
この2人の夜神月としての異なるアプローチ、差が今作でも非常に楽しめる。
月と壮絶なバトルを繰り広げるL役には俳優の小池徹平さんがキャスティングされている。
「小池徹平がL?イメージ違う!」という声が聞こえてきそうである。
おっ、今「ないわ(笑)」って言った?
気のせい?ならよし。
L役といえば実写映画で演じた松山ケンイチさんの評価が高い。だが、小池徹平さんのLはすごい。
Lは猫背に白Tシャツ、デニム、目の下にクマのある裸足の男だ。小池徹平さんはずっと猫背で舞台上に立つ。登場後、一挙手一投足すべて、頭のてっぺんから手足のつま先までLなのだ。
ミュージカルなので当然歌を歌う。L役の小池徹平さんはその間ひたすらに猫背だが、それでも損なわれることのない歌声。最高。
また、夜神月とLのやり取りが重要な作品だが、小池徹平さんのLはWキャストそれぞれの月に対して、全然違ったL像を魅せてくれる。
死神リュークとレムにはベテランの実力派ミュージカル俳優、石井一孝さんと濱田めぐみさんがキャスティングされる。
石井一孝さんは、顔がすごくリュークだ。初演時は吉田鋼太郎さんだった。人間味溢れるリュークと、ラストで見せる演技・表情がとてもよい。そして顔がすごくリュークだ。
濱田めぐみさんは、まさに日本ミュージカル界の至宝である。
劇団四季で活躍し、退団後には数多くのミュージカルに出演している。今はメリーポピンズ。
とにかく、なにを置いても、歌がめちゃくちゃ上手い。
テレビのカラオケ対決等で有名なミュージカル女優・新妻聖子さんと併せて彼女こそミュージカル界の二大歌姫だと思っている。
先述した「愚かな愛」が本当に素晴らしい楽曲なのもあるが、Lに捕まったミサに縋り付くように歌い出し、歌い上げる。泣ける。
その他、弥海砂役の唯月ふうかさんはまだ若いがミュージカル「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役やミュージカル「ピーターパン」の主演など、活躍めざましい女優である。
アイドルシーンの明るくて可愛いミサミサから、月のために命を賭ける姿まで、幅広い歌と演技が必要な役を素晴らしく務めあげている。そしてめちゃくちゃ可愛くて、まさにミサミサである。ペンライト振りたい。
このように、本作はレベルの高い素晴らしいキャスト陣が揃っているのがとても推せる。
まとめられないまとめ
「デスノート THE MUSICAL」はとにかく最高である。
タイトルで、2.5次元を超えたという表現をあえてした。別に2.5次元作品を下に見てるとかではなく、定義上2.5次元であるが、原作をそのままなぞることよりも作品の本質にフォーカスして、演劇作品として昇華させている、という作品に仕上がっている。
次、いつ再演が打たれるかもわからない。Lが小池徹平さんではないかもしれない(想像つかない)。レムが濱田めぐみさんではなくなってるかもしれない(想像つかない)。
それでも、素晴らしい初演・再演を経て選ばれたキャストたちはもがき苦しんで素晴らしい作品に仕上げてくれるのだろうと、まだ予定のない再々演に思いを馳せる。
ぜひ、次の公演時、これを読んだあなたが観てみたいと思いますように。
ちなみに作者がTHE2.5次元ミュージカルである「テニミュ」を観たときの感想がこちら。
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