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乗り物

当たり前のように乗っている乗り物。

今回このお題で書こうと思いを巡らせたら、電車も、車も、自転車も、ジェットコースターも、エレベーターも、エスカレーターも、生まれる前からあって当たり前に使っていたけど、すごいなあ。

偉大だ。

高校3年生のとき、期末テストが終わったときに、何か知らないけど遠くに行きたくなって、学校の最寄りから一番遠くの駅まで各駅停車でゆっくり進んだ。

関西に住んでいたので、梅田まで行ったのだけど、その頃の私は梅田の街に制服で降り立つ勇気がなく、街に繰り出すことなく、大人しく、粛粛と折り返して帰った。

青く透き通った空の色と揺られて進むにつれて変わる景色を見るだけで、そのときのどこか遠くへ行ってしまいたい気持ちは少し収まった。

折り返して家の最寄りまで優しく連れ帰ってくれる電車が、今思うと、なんともちょうどよく、有り難かった。

そうそう、飛行機がなかったら、海外に行けてないんだなあ。

私は海外に行くことが大好きだ。高校生までは全く海外に興味がなかった。一生日本から出ない気満々だった。

高校で交換留学のプログラムがあり、母に勧められるままにプログラムのテストを受けてみた。嫌々受けたのだが、その年は希望者が少なかったため全員合格となってしまった。

イギリスなんて全然行きたくないのになあ…。と思いながら、準備を進めて、いざイギリスへ交換留学2週間。

開眼した。

全然日本と違う。

周りに目が青いかっこいい男の子がいっぱいいた。(男子校だったから)

紳士的で、みんな話しかけて来てくれる。(物珍しいから)

ここは楽園か?楽園なのか?

イケメンに加え、見たこともない美しい街並みや流れる空気の違いに感動した。

飛行機がなかったら、この桃源郷に辿り着くことは一生なかったのだなあ。

小学生のとき、修学旅行でパルケエスパーニャへ行った。

みんな一番こわいジェットコースターのピレネーに乗るのを楽しみにしていたが、私は絶対に乗らないと決めていた。

でも、高校生になるとユニバーサルスタジオのジェットコースターが大好きになった。

発想の転換があったのだ。

小さい頃から好きな公園の遊具ランキング2位であった滑り台。(1位はもちろんブランコ)

その滑り台の唯一の難点は、登る時間と労力に対し、楽しみな滑る瞬間は一瞬のきらめきであるということ。

しかし、ジェットコースターは、登りは自動で、滑る時間も大容量なのである。

なんと、お得で愉快な乗り物、ジェットコースター!

そうなってから、ジェットコースターが大好きになった。今では、海外に行ってまでもジェットコースターを味わうようになってしまった。

大学3年生のとき、車の免許を取った。

結構運転はどきどきして、本当に試験に合格できるか不安だった。

しかし、マリカーが下手な私の母も、地元の男子だって取れてるんだから、私も合格できるだろうと自信を持った。笑

車に乗ると世界が広がった。

最初の赴任地は山梨で、車がないと生活が成り立たない場所だった。

車に乗って友だちと旅に出た。温泉だって、富士山五合目だって、車があればすぐに行けちゃう。

私は脚が遅くて、体力もないけど、ガソリンを入れてエンジンを焚けば、車はボルトよりも早く、涼しく、ときには暖かく、爽快な音楽をかけながら私と一緒に出かけてくれるのだ。

勇敢で頼もしい相棒といる気分だった。

仕事で疲れたときも、夕焼けが綺麗そうだったら、車を走らせて、一人で河口湖に沈む夕日を眺めた。

大好きな曲を聴きながらの、一人だけの贅沢な空間。

むしゃくしゃしたときは、ガンガンに音楽をかけて、大声で歌いながらハイウェイを駆け抜けることもできる。

車、好きだなあ。

お父さんが車が大好きなので、私もこれからもずっと車が好きだと思う。

乗り物は、私の世界を広げてくれるステキな物である。


次のお題は、怒り。

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