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読書メモ GAFAMに勝てるわけがないという絶望
デジタルエコノミーの罠を半分くらい読みました。これ、全人類必読の書だと思いました、本当に。
だって、書かれてる内容が絶望的なんだもん。これの数章を読み終わった時点でなぜ日本にGAFAが出てこないんだーっていう疑問がすべて消えるし、もしも日本にGAFAが生まれないのは○○だーという自説をしている人の話は無視していいと思います。それくらい、ある種の常識を実証的かつ理論的に裏付けている。
インターネットに関する幻想を打ち砕く
インターネットの登場でこれからは個人の創造性が自由に発揮され、より多くの人間、企業が世に出るようになると思っていたけど、現実はその逆です。いや、厳密にはプラットフォームは用意されてるわけだから、雨後の筍のように、YouTuberやらブロガーやらは出てきていますが、ほとんどのものは誰にも見られないし、知らない。そう、インターネットが普及するにつれ、寡占化が進んでいきます。
メガテック企業は多額の設備投資を行なっている事実
なぜ我々はGoogleの検索を使うのかというと使いやすいから、あるいは、使い慣れているからですよね。まず、商品やサービスの開発段階で数秒の遅れを徹底してなくしています。なぜかというと、この微差が大差に繋がることを彼らは知っているからです。逆に使いにくさがなければ、使い続けます。その使いやすさを維持するために、有能な人材を集めて、日夜商品・サービス開発に勤しむ、国家予算単位の研究開発費を各社が投じているというのは想像できるますが、さらにGoogleはとんでもない設備投資を行なっており、サーバーの投資は中堅国家の国家予算を遥かに超える水準にあります。本書ではamazonやMicrosoftの設備投資は触れていないが、両社ともすさまじい額の投資を行っています。これ、この三社以外にこれほどの投資を継続して行うことはできるかというと、まず無理ですね。唯一対抗できるのはテンセントのような中国企業でしょうが、中国限定。
機械学習されるデータの質と量が桁違い
こうして日夜世界中の人々がgoogleやfacebookなりを使っていくとおのずと大量のデータが蓄積されていきます。これは機械学習にとっては好条件。ビッグデータを機械学習って一時流行りましたが、そもそもひとつの企業の持っているデータの少なさに愕然とすることが多いとデータサイエンティストの愚痴はよく聞くところ。あとは、データの利用目的が決まっているから、ビッグデータが機械学習するのに良質なデータとなっています。こうなると、アルゴリズムがどうとかその次元をはるかに超えてしまっています。
この世界に希望はあるのか
こうみていくと、GAFAM、あるいはネットフリックスを上回る企業はないですよね、今の社会条件であれば。うーん、ニッチ市場では勝てる要素は多いと思いますが、国家規模の予算に対抗するには国家しかないというのも絶望だし。これはこれからの人類の課題ですね。