米中の長い戦いに備えるための一冊

東アジアの軍事化に直面する日本に警鐘! 
直近の米外交安保政策の進む道を示し、ワシントンで必読とされた話題書、第一人者による邦訳完成!

・2020年代が米中新冷戦の最も危険な時期(デンジャー・ゾーン)で、台湾侵攻の最悪の事態に備えるよう説き、衝撃を与えた。
・経済減速と戦略的包囲網に直面する中国共産党にとり、時間が味方だった環境は急速に変わりつつある。
・「チャンスの窓」が閉じる前に行動しないと間に合わない、という焦りと誘惑。国力のピークを迎えて将来の手詰まりを自覚した大国が最も攻撃的になる「ピーキングパワー」の罠。
・ピークに達した中国に先んじるために、日米はさらに多くのことをさらに素早く行う必要がある。その具体的な内容を完全解説!
・デンジャー・ゾーンの「最初の短距離走の10年間で素早く大胆な政策を打っておかないと、その後の(米中冷戦での)長期戦の構造が決まってしまう」(訳者あとがきより)
・台湾有事で大きな被害を受ける日本は「デンジャー・ゾーンの脅威を、アメリカ以上に深刻に受け止めている。日本は21世紀において、ワシントンが最も頼りにする『20世紀のイギリス』のような同盟国になろうとしているのだ」(原著者まえがきより)
・「トゥキディデスの罠」「100年マラソン」よりも、危機はずっと早く来る。
ベストセラー『米中もし戦わば』(ナヴァロ)『China2049』(ピルズベリー)『米中開戦前夜』(アリソン)を越える衝撃作!

上記のサイトより

すでに経済成長がピークアウトに向かっている中国。ここから衰退に入るかといえば、そうではない可能性が極めて高く、中国共産党が実現しようとしている「中国の夢」とはなにか、経済がピークアウトしている国家のうち、ドイツや日本を例に対外的な侵略に進む国家の特徴はなにか、「デンジャー・ゾーン」に対してアメリカはどのように立ち向かうかを冷戦時の教訓をもとにまとめた一冊である。
特に気をつけなければならないのは、2020年代に入り、台湾もアメリカもそして日本でさえも中国の野心に築き、対応を始めたところで、ここ10年が勝負どころでもあるのだが、「デンジャー・ゾーン」においてはグランドストラテジーと機敏な戦術をそれぞれ使う必要があったり、小さな攻撃により相手を踏みとどませる必要があったり、短期的な武力に出ることがないように長期戦に持ち込む必要があったりと、日米台のそれぞれが短期でリスクを取りつつも、長期的な争いに持っていくという至難の業ともいえることをやる必要がある。これを実現するには根気も必要だし、民主政においては政権が変わると国家方針が変わることもあり、簡単なことではないが、台湾が中国の手に落ちたときは自由社会の敗北にもなるので、まずは長期戦に持ち込むために、ここ10年踏ん張るしかない。
文章がロジカルかつ平易で読むやすいので、誰にでもおすすめできる一冊。

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