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著者の想定する「台湾有事」を知ることは有益である

台湾有事の焦点は、アメリカ大統領選挙にある。「第2次トランプ政権」が中国に対して強硬になっても緊張緩和に向かっても、台湾をめぐる現状は崩れ、日本は厳しい情勢に追い込まれる。
2024年の「選挙イヤー」は、国際秩序を激変させるだろう。中でも第二次世界大戦後、80年近くにわたり奇跡的に平和を享受してきた日本が、最大の被害国になりかねない。その最大の引き金が、台湾有事なのだ。
一切の楽観を排し、軍事マニアの戦争ゲームとも一線を画した、徹頭徹尾「習近平の目線」による驚異のシミュレーション。

序章 台湾有事はもう始まっている――最重要ターゲットは日本
第1章 「台湾統一」は習近平の「宿命」――衝撃の有事シナリオ
第2章 中国はどのように台湾併合を目論んでいるのか――習近平の″戦略ブレーン″が考える「新型統一戦争」をシミュレーション
第3章 先鋭化する米中対立――東アジアの″火薬庫″はいつ爆発してもおかしくない
第4章 台湾有事で巻き込まれる日本――次々と浮かび上がる日本の課題
第5章 習近平の「情報戦」に立ち向かえ――周回遅れの日本

上記のサイトより

台湾有事といえば、戦争が起きる起きないで人それぞれに意見があるところであるが、中国と米国を長年観察してきた著者による台湾有事は戦争そのものが起こるものではない。戦わずして勝つ、あるいは、現代版の兵糧攻めともいうべき、台湾海峡を封鎖して台湾人の心を折るというものである。
台湾海峡の封鎖により、食料不足、燃料不足が起きて不満が続出、同時に台湾に潜伏している工作員が総統をはじめとする政治家の身柄を押さえ、軍部を無力化してしまうことで、台湾を支配下にいれるということになる。
これが起こるとアメリカの介入は無理で、日本が何かできるかというと、多分何もできない。台湾が中共の支配下に入ると、係争地である尖閣諸島どころか、沖縄までも危険な状態になり、文字通り、アジア太平洋地域は中国の支配下になるという悪夢が実現できてしまう。
著者が描く台湾有事を知っておくことは今後の日本がどうするかについての参考になる。もっとも、著者の描く有事が起きないことがもっともいいことなのだけど。

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