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これを読むと年を越した気がする一冊

毎年恒例の「福野礼一郎のクルマ論評」が今年も無事刊行されました。
今回もフォーマットとしては、2021年から2022年に発売された新車の評論、現役エンジニアを交えた現在の観点から旧車評論、現在のベストカーをジャンル別に並べたものとここ数年で確立した様式となっています。
毎年表紙の色が変わっていきますが、今年の表紙は水色。2015年版が青だったのですが、手元には2015年版はなくてどれくらい違うのかは比較できませんが、結構違うのだろうな。

ベンツCクラスとSクラスに関する対照的な評価

Aクラスがあまりに出来が悪くてボロクソに評価していましたが、Cクラスも同じような感じの評価です。どんどん大きくなるCクラスに対して、「立派に見えるための巨大化。いかにもデザイナーが専横して行った価値のないモデルチェンジ」と冷やかし、ドラポジが決まらず、ATの反応が鈍いと文句をいうのはいつもの福野節。
一方のSクラス。こちらは絶賛。福野氏の評価ポイントである、操舵性とATの制御、ボディ剛性あたりを評価してのことでしょうが、この前のモデルも魔法のじゅうたんといって絶賛していたような。

トヨタ車を評価する

今回はアクアとランドクルーザーがフルモデルチェンジ。アクアはトヨタ車の評価では出てこないような、操舵性が高くて欧州車のBセグトップクラスと同じくらいと評価し、ランドクルーザーはディーゼルエンジンのものを評価していました。
トヨタ車のメインユーザーはこういう仕上げだと足が固すぎて乗り心地が悪いとか、ハンドルが重くて使いにくいとかいいそうな気もするが、最近は変わったのでしょうか。

日産、スバルとホンダは取り扱いがない

そういえば、今回は日産、スバルとホンダの新車インプレありませんでしたね。これは、そもそも対象期間に新車発売がなかったのか。あんまり新車の発売を追いかけていないので、なんともいえませんが、日本の自動車業界が素晴らしいのはどんなに悪口を書かれても、きちんと新車のインプレをさせてくれる点なので、これが変わってしまうと、いよいよ自動車業界も悪い方向に向かっていくなと感じてしまいますが、後書きを読みと、日産のサクラはウェブに記事がもうあるようなので、少なくとも日産車は貸出禁止にはなっていないようです。
一方、必ず取り扱うのが三菱車。今回はアウトランダーの新型ですが、これはなんと酷評。2013年に前の型に乗った際には絶賛したけど、著者と仕上がりの部分がまったく正反対になってしまったようで、逆に気になるのも事実。
あとはマツダね。今回はロードスターの年次改良版。相変わらず、意地でも1トン切りを頑張るのもすごいが、それ以上に、平成30年を超え、いまだに作り続けているというところですよ。この世知辛い世の中、同じ年に生まれたシーマとかNSXとか車種が違うとはいえ、みんないなくなってるのに。

ジュリア、DS4を絶賛

フロントがアルファロメオ伝統の盾以外はまんま3シリーズのジュリア。これは仕上げがとてもよいらしく、なんと、新古車を購入したそうです。たしかにこれ、乗ってみたいのですよね。アルファロメオ、外し車として最高だし。新車なんかで買っちゃダメで、新古車か初回車検後の中古車ね。
あと、DS4。これは乗り心地で他を圧倒。ゴルフがずっと君臨していたCセグのベストカーもDS4になっていますね。

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