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人間、そう簡単には変われないよねその2
カジノで106億8000万円を失い、会長辞任、獄中へ。そして懲役4年の刑期満了後に、再びカジノへ。リベンジの舞台は韓国ソウルの「WALKERHILL」3000万円が9億円にまで増えるマジックモーメント(奇跡の時間)を迎える。果たして、負けを取り戻す夢物語か、破滅への一里塚か。ギャンブラー井川意高によるバカラ放蕩記。しかしその裏ではギャンブルよりも血がたぎる、現会長佐光一派による井川家排除のクーデターが実行されていた。「大王製紙から井川家を排除し、自らの地位を盤石とするために、佐光は300億円も無駄金を上乗せして会社に損害を与えた。「他人のカネ300億円で買った社長の座」は、さぞかし温く心地良いことであろう。これこそ特別責任ではないか。しかも、私の金額の3倍である。有罪とすれば懲役12年だ。」(本文より)大王製紙を舞台にした血みどろ裏切りノンフィクション!
ギャンブルで実刑を食らい、大王製紙の経営からは追い出された著者の自伝が前著。ただ、創業一族なので大株主であり、かつ、取締役でもあった著者がクーデーターによってその地位も追い出されたというのが本書。
前著と同じく、やたらに発熱したバカラのシーンと自分の父がいかに偉大であったか、そして、それを引き継いだ自分は経営者として何を成し遂げたかということを次々と述べるのだけど、読み終わった後の感想は、この人の話は面白いが、人間としては進歩してないものだなーという思いが勝ってしまう。
人間は実刑を受けて刑期を果たそうが、自分の地位が奪われようがそう簡単には変われないのだ。著者がYoutubeで話す姿をみると分かるのだけど、話し方も話の内容も面白いのだけど、だからといって、ゼロから会社を作って成功しそうには到底思えない。まあ、大王製紙の株式を持っている時点で別に生活に困るわけでもないのだろうが。