スター誕生と名付けたい映画

2023年WBCの日本代表に密着したドキュメンタリー映画。

メンバー選考の絶妙さ

国際大会にMLBは選手を派遣することを嫌がりがち。東京オリンピック2020jのときもMLBの選手はほぼおらず、主催主体がMLBである、WBCにもその傾向があるのだけど、メンバー選考のところで、絶対にMLBの選手を呼びたいという、栗山監督の真顔が迫力があった。交渉の甲斐もあって、MLBに所属している選手も日本代表で出場できるようになった。リアルタイムでみていた時はヌートバー選手の選考が一番効いていたのかなと思っていたが、ダルビッシュ投手が投手陣年長者かつ2009年の優勝メンバーとして、若手投手のお手本のような存在に見えたのも印象的。

佐々木投手の涙からの村上選手のさよならタイムリー

準決勝で先発した佐々木投手。投げている球は日本のトップクラス、ただ痺れる試合という意味では初めて。あまりに気負ったのか、3ランを打たれてしまい、ブルペンで悔し泣き。その後、あのレフトの選手の好守備もありなかなか追いつけない中、オリックスに日本一をもたらしたホームランを彷彿とさせる吉田選手のスリーランで追いついた時の感情の爆発がこれまた名場面。その後も、今やNPBナンバーワンの山本投手が打たれてからの逆転劇。リアルタイムでみていた時はこれもう無理だろうという展開だったのだけど、最高の場面で調子が上がらず、この日もタイミングが合っていなかった村上選手がさよならタイムリーというのがこれまた名場面。

長嶋以来のスター誕生

今のNPBの位置を作ったのが、当時大学野球のスター選手であった長嶋茂雄選手が巨人入りしてからと言われています。それまでは学生野球>NPBであったのがひっくり返ったというのは一つの大偉業。
が、今作の主役、大谷選手は新しいスターとして、複数回のMLBのMVP獲得、日本人初のHR王、そして、なんとベーブルースに先祖がえりした二刀流を認めさせるという大偉業を達成している最中の選手。やっぱり画面からスタートしての光が溢れているのですよ、本当に。漫画の主人公としてもでき過ぎる存在と展開でもあるのだけど、腹が立たないどころかこのスターはどこまで行くのだろうかというところばかりが気になってしまいました。

気になったところ

WBCを見なかった人にとっては少し試合展開がわかりにくいのが気になりましたね。これはタイトルからしてWBC見てた人向けだから、敢えて解説とか全体の規則とかそういったものを説明しなかったのでしょうが。

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