著者の言いたいことのためにウルトラマン持ち出す意味がわからない
ウルトラマンの伝言 | 倉山満著 | 書籍 | PHP研究所
本書の概要
県政史研究者である倉山氏によるウルトラマン通史。円谷プロダクション誕生からウルトラ、ら平成ウルトラマンまでに至る、各作品を時系列に追っていくことで、ウルトラマン伝言を読みとくという力技をやっている。
本書のポイント
昭和期のウルトラマン、すなわち、初代ウルトラマンからウルトラマン80までの各作品を作品の作られた時代背景、ストーリー全体の流れ、その当時の政府や政治の動き絡めて、ウルトラマンを語っているが、これらが良くも悪くも整理されていないので、作品論や技術論を知りたい人にも脚本の変化を知りたい人にも物足りない作りになっている。結局、著者の言いたいことは、ウルトラマンのような利害を無視して地球人を守ってくれる超人はいないのだから、自分のことは自分で守ろう、ということだろうが、これをいうために敢えてウルトラマン作品を持ち出して、語るほどのことかと感じてしまう。
余談
倉山ファンなのでつい読んでしまったが、思えば、ここ数年はこの手の雑な作りの本が増えた気がする。
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