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税金には無駄な要素があり、この本で指摘されているものは氷山の一角であるということ

67兆円。この金額は過去最高額を更新した2021年度の税収だ。近年、税収は右肩上がりで、それに合わせて私たちの租税負担率も上がっている。

では、集められた税金は無駄なく活用されているのか。そんな素朴な疑問から取材を始めてみると、そこには愕然とする現実が横たわっていた。一般社団法人を介した“中抜き”を黙認する政府。政府も内訳の詳細が分からない五輪予算。コロナ禍におけるゼロゼロ融資の不正利用。孫の小遣いとなる中山間地域への補助金。使われぬまま放置される巨額の基金─。増税という選択肢を取る前に、こうした状況を改善する必要があるのではないか。約3年にわたって粘り強く取材を続けてきた若手新聞記者が、税金の無駄遣いの実態を克明に記す。

上記のサイトより

新聞記者が取材を重ねて税金がどう使われいるかを暴く一冊。取材対象は中抜きのための団体にしか見えない、一般社団法人サービスデザイン推進協議会、オリンピックパラリンピック委員会、コロナ禍での緊急融資に各省庁の基金。防衛予算の無条件の増加やさらには地域の消防団や山間部での補助金を取材して、説明をされてもよくわからない、あるいは、どう見ても合理的ではない税金の使われ方を切り込んでいく。
この本を読んで真剣に考えるべきは、日本の税金は予算しか語られず、そもそも決算確定まで1年以上かけている。法人税の申告が決算確定後2ヶ月と比較して遅すぎるのでせめて半年にしろとは思う。が、もっと重要な問題はどのように使われているかの事業評価が遅く、かつ、評価できる人材も少ないことで、使い放題になっていることだ。これは国民の私的財産の一部を徴収するという性質上、許してはいけないもので、この本で指摘されているものはあくまでも氷山の一角に過ぎない。


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