GAFA next stageに後書きがなかった

GAFAという呼び方を定着させた功績のある書籍、the four GAFAの続編、GAFA next stageが売り出されていたので、読みました。

本書を読んで気になったところ

コロナ後の世界でGAFAがいかに前作で説明したビジネスから発展したかがメインの話だと思うじゃないですか。実は、そうでもない。むしろ、コロナ後の世界がどのようになっていくか、特にディスラプション(創造的破壊)が起こりそうな業界について、主に教育業界に対する対応の印象しか残らなかったですね。さらに本書は訳者解説も専門家による解説もありません。なんでだろう?

本書で示された新しい考え方

コロナ後の世界はブランドの時代からプロダクトの時代に移行したと著者はいいます。プロダクトの時代は明確にこれだという定義はないのですが、この時代を生き抜くためには、青のビジネスモデルか赤のビジネスモデルを理解する必要があるといいます。

青のビジネスモデルは、原価を上回るモノを販売すること、GAFAでいうと、appleのiPhoneがこれに該当します。他方、赤のビジネスモデルは、モノはタダ、または、原価以下で販売し、そのモノを使った顧客から得たデータでビジネスをやることをいい、googleやfacebookがこれに該当します。

著者の懸念 ディスラプションのインデックス

著者はディスラプションが起こる可能性がある業界について、インデックスとして、4つのものを掲げています。

①価値が増大していないのに、価格が上がる業界
②ブランドへの依存
③消費者の不満
④偽りのイノベーション

ここで、著者が具体的を挙げているのが、教育と医療です。
たとえば、教育は下手したら古代ギリシアから教師が生徒を教えるというのは変わっていないのに、授業料は右肩上がり。トップの学校はトップであるがゆえに人気が集まり、教育を受ける側の不満は溜まるばかり。イノベーションも起きていないのに、あたかもイノベーションが起きているかのように業界全体が振舞う。

その他本書で触れていること

GAFAがいかに今の地位を維持しているかの説明として、どの会社も「フライホイール」=目玉商品があるということを挙げています。あと、GAFAのほかにも、同じ位置にたどり着いている、または、たどり着く可能性がある会社として、マイクロソフト、ネットフリックス、テスラ、ウーバー、スポティファイ等が挙げられています。

本書への疑問点

GAFAと同じステージにたどり着くために、あるいは強力な対抗馬を作るために、ネットフリックスとスポティファイの合併(+スマートスピーカーメーカーも)が望ましいということを言っているのですが、これがよく分かりませんでした。統合サービスでamazonやappleに対抗する事業者ができたところでその会社がGAFAと同じように振舞うだけなのでは?
あと、ディスラプションはありとあらゆる業界、分野で起こるのはやむを得ないことなのであって、問題なのは支配的な地位を獲得したときの独占的な地位の濫用という点。この点は著者も気にはしていて、それぞれの会社の分社化の提案はしていますが、グローバル企業となっている各社をどの当局が分社化させるのかを考えただけで、難しいと思いました。

総論

GAFAが世の中に浸透し、コロナ対応で時間の流れが速くなった現実の中で、どうやって事業を続けていくのかを考えるきっかけになる本だと思います。読んですぐ売ってしまい、もう手元にないのですが。。。

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