ジレンマから脱出する方法 (NLP テトラレンマ エクササイズ)
海外では自分ですべてを決めなければならない。
過去の記事で何回かにわたって、海外移住を勧めてきた。
海外での生活では自由気ままなライフを経験できる反面、すべての行動を自分で決断しなくてはならない。
暗黙のルールやガイドラインがなく、空気を読まなくていいのは、日本の生活と違って自由を感じるが、自分ですべての行動に責任やリスクを負わなければならない。
特に人生の変化に直結する選択をしなければいけない場合は本当に迷う。
できれば失敗して後悔したくないし、ベストだと思える選択をしたいからだ。
例えば日本へ帰国するか否か、今この事業を辞めるか否か、この人と結婚するか否かなど、誰かに相談してもわからない状況に遭遇する。
こうすべきだとわかっているけど、もう一人の自分が嫌だと言ってる、こうしたいけど、やっぱり。。。など、いわゆるジレンマというやつだ。
今回の記事ではジレンマから脱出し、新たな視点で創造的な選択に気づけるエクササイズを紹介するので、ぜひ試していただきたい。
他にも、それぞれの選択に対して、長所と短所を箇条書きにして、長所の数の多い方を機械的に選択するという方法もあるが、短所もそれなりにある以上心から納得して選び取ることができないし、長所の数が同じ場合はさらに迷ってしまう。
迷っている状態(思考停止)を続けるのは危険
迷いに関して思い出すのは、僕が学生時代に武道の先生によく諭された、以下の二つのことだ。
やならやめろ
毒食らわば皿まで
相反する意味なので、どっちなの?と突っ込みたくなると思うが、真意としては、
迷っている状態を避けよ
いうことだ。
やばい、どうしようと思ったら、すぐそれを止めるか、えーい、ままよとそのまま突っ切ってしまうと、案外次の道が開かれる。
柳生石舟斎の言葉で有名なのが
”斬り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ 一足ふみこめそこは極楽”
一番危なそうな相手の懐が実は一番安全で、なおかつ効果的な攻撃ができるところだったりする。
危険な状況に出くわした時の三つのリアクションは、英語で三つのFで表される、Fight (戦う), Flight(逃げる), Freeze(固まる) このうち、固まってしまうのが一番まずい。思考停止とも言える。
逃げるのか、戦うのか、さっと決めて取り組んでいかなければ前に進まない。
危険が迫っている状態ならば本能や直感で決めることになるが、さすがにそこまで切羽詰まらず通常のジレンマと呼ばれる状態は、じっくり考える時間がある。
どっちがいいかわかるならば、そもそも迷っていないわけだが、どっちもいい選択に見えるし、どっちもダメだと思える時にそこから脱出するには、
二元的な思考から出て俯瞰で見える地点に立ち、そもそもなんで迷っているのかを見極めることが大事だ。
例えば、結婚するかしないかを迷っていれば、そもそも結婚することによって何を得たいのかを探る、そうすれば、他の方法でそれを得る方法があるかもしれないと考えることができ、結婚するかしないかの迷いから脱出できる。
この俯瞰でものを見る方法は、瞑想することによって、心を迷っている状態から外すという方法もあるが、
今回は、NLPのテトラレンマ エクササイズというのを紹介したい。
この方法は、ジレンマに陥っている状態、すなわちAが正しいか、Bが正しいかという二元的な考えに対して、AもBも正しくない、というのと、AもBもどちらも正しいという考えをしてみることによって、二極化の考えから脱出して、新たな考えを得るというものだ。
NLP テトラレンマ エクササイズ
1、自分が迷っている事象を明らかにし、(例えば、帰国すべきか、海外滞在を続けるべきか?)それを自分の目の前に下記のように床にマッピングする。 上記の図に示す通り、ABCD4つの点を結んだ円を描き、そして中心を自分のニュートラルポジションとする。
2、地点Aを一方の選択(例、帰国すべき)の場所、地点Bをもう一方の選択 (例、滞在すべき)の場所としたのち、ニュートラルポジションに立つ。 ニュートラルボジションは、ABどちらの選択とも無縁の場所とする。
3、次に一方の選択の場所(地点 A)に立ってみる。 その選択を味わい、体がどのように反応するのかを仔細に感じ取り、しっかりその考え方と感情に浸る。 (例、将来のことや、家族のことを考えると帰国した方がいいなー、体が重い感じがするけど、少し落ち着く)
4、ニュートラルポジションに戻る。(例、どちらの選択でもない、冷静で落ち着いた場所を感じ取る。深呼吸することをお勧めする)
5、今度は、もう一方の選択(地点B)の場所に立つ。そして、その選択を味わい体がどのように反応するのかを仔細に感じ取り、しっかりその考え方と感情に浸る。 (例、やっぱり挑戦し続けるべきだ。心臓がドキドキしてるけど、なんかワクワクもする。)
6、ニュートラルポジションに戻る。(深呼吸することをお勧めする)
7、左右の地点AとBを行ったり来たりして見る。 何度かそれを繰り返すうちに、ジレンマに陥っている思考システムを体で感じることができる。
8、図にあげた地点C、どちらも正しいという視点に立って二つの選択を見る。 この地点に立つとこのジレンマの思考を俯瞰で見ることができ、問題の核心はさらに大きな、もしくは深い部分にあることに気づく。(例、こういう選択があること自体、生きてることを実感できるし、冒険してるなーと思える。 体が軽く感じる。)
9、ニュートラルポジションに戻る。(深呼吸することをお勧めする)
10、図にあげた地点D、どちらも正しくないと言う場所に立って見る。(この時、地点A、Bが自分の背後になるようにすること)、この地点に立つと、この二つの選択だけでなく、もっと多くの事象に気がつき、新しい選択、新しい選択肢が浮かんでくる。
(例、あれ、帰るとか帰らないとかはあんまり重要じゃないな、いっそまた違う国に行ってみるか? 体と頭がもっと軽く楽に感じる。)
11、ニュートラルポジションに戻る。(深呼吸することをお勧めする)
12、ABCD4つの地点で得た感覚や、叡智を総合して自分にとって現在一番大切なものを磨き出す。
まとめ
NLPには数ある信条の一つに、
問題解決へのヒントは全て自分自身の中にある。
というのがある。
自分自身の中に解決方法があるので、誰かにアドバイスをもらっても、心から納得のいく決心にいたることは難しく,
コーチは解決法をアドバイスするのではなく、クライエントがすでに持っている解決方法を炙りだすのを手伝うのが仕事だ。
今回のこのテトラレンマのエクササイズはコーチが使うツールの一つだが、セルフコーチングとしても使えるのでぜひ試していただきたい。