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【新曲発表】心象風景シリーズ - Parallax -

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Parallax

今回の作品に対して作曲時の背景を彩るようなエピソードや解説というものは特にない。

あるとすれば、漠然とした矛盾の感である。

ふと、空を見上げて目にする太陽や月。
「私たち離れていても空を見上げれば、ほら、同じ月を見ているね。」

などという甘いシーンが思い浮かんだりするけれど、果たして本当に同じように見えているのだろうかと考える。
(私に直近こんなスウィートなエピソードがあったわけではない)
たとえ同じものを一緒に見ていたとしても、本当に同じように見えているのだろうか。

自分自身ではどうだろう。
右目を瞑って左目だけで見てみる。
今度は左目を瞑って右目だけで見てみる。

全然ちゃうやないかい!
右目1.5/左目0.2未満&強い乱視というガチャ目な私には、左右でまるっきり違って見えるではないか。
というか片方よく見えない。

これでは「離れていても、私たち同じ月を見ているね。」といった甘い会話にならないではないか・・・

こういった事象をなんというのだろうかと調べたらしっかり言葉があった。

「視差(Parallax)」

chatGPTに聞いてみると。

「Parallax(視差)」は、
物を見る位置が変わることで、物の見え方や位置がズレて見える現象だよ!

chatGPT

だそうだ。
同じものを見ているようで、実は微妙に違って見えている。

社会生活を営む上で、物理的にも心理的にも多かれ少なかれこういったことを痛感させられることがあるのではないだろうか。
だからこそ誠心誠意、お互いの立場や意見を尊重したコミュニケーションが、我々ホモ・サピエンスには必要なのではあるまいか。

振り返ってみると、純音楽の作曲という行為は、自己の精神との対話であったり、これまでの人生経験などの源流に全身で飛び込んで、記憶やら風景やら色合いやら色々なフィルターを通過した先に音の雫がぽたりぽたりと滴り落ちてくるようなものと私は捉えている。

しかし、そこには実社会において「評価」であったり「売れそう」「売れなさそう」といった声や思念が付きまとい、対外的に視差的要因を考えずにはいられないという矛盾。

そんなことを漠然と悶々と考えていた時に書いた曲だ。

まあ結局、最終的には書きたいものを書くわけなのだけれどね。

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