【400字小説】サーターアンダギーも言えなくて、夏。

きみの沖縄里帰り土産はザ＊定番で。おいしいし、好きだから、サイコウだった。沖縄のスターバックスで買ったというドリップコーヒーのパックももらって「沖縄にもスタバあるんだね」と僕は言ってしまって、失言だったね。「沖縄をナメるな」ってきみにサーターアンダギーを顔面に押しつけられて、ベタベタに油っぽくなったじゃない。時折見せる凶暴な面も残念ながら好きだ。

にしてもサーターアンダギーの量が半端なくて、10日連続で朝食にコーヒーと共にいただいているのに、一向に減らない気配。スタバのコーヒーの方はあっという間になくなったんだけど。きみの呪いというより、沖縄のスタバユーザーの呪いかも知れない。

サーターアンダギーはモサモサするから、そろそろ飽きてきている。大好きなだけに、嫌いにはなりたくない。きみのこともそうだ。毎日「サーターアンダギー食べ終わった？」ってLINEしてくるから、ほとほと嫌気が差す、だなんて言えない。

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