【書評】数値化の魔力 “最強企業”で学んだ「仕事ができる人」になる自己成長メソッド

岩田 圭弘
SBクリエイティブ
2023/12/24

 最近クラウド、セキュリティ絡みばかりだったのでちょっと味変。事後的に知ったのですが、著者はアスエネという炭素消費量可視化とコンサルをやっている、GXソリューションのスタートアップの共同創業者。一時期ここの製品を担いで、GXを社内で流行らせようとした時期があったのですが、色々あってつまらなくなって辞めてしまいました。キーエンス出身で、”最強企業”=キーエンスでの営業プロセス可視化メソッドを紹介するものです。

 内容は何というのでしょうか、まぁ順当な内容というか、普通に説得力があります。悪く言うと当たり前で、思ったこととのギャップがあまりになくて面白みに欠けたというのが正直なところ。営業に限らず経理やマーケでのユースケースを示してくれているものの、同じ営業だとしても管理粒度は全く同じように適用できるものではないと感じます。BtoC、BtoBが云々というよりは、置かれている環境と成熟度によるという感じでしょうか。活動量が成果に直結する20代の営業手法であればよい気がするのですが、ソリューション営業として成熟した30代以降、かつそれなりの大手アカウントを持った場合にはこの中身をそのまま適用は違和感があります。おそらくKPIとしてアポ件数や電話件数などの純粋な活動量が上流にきているからであり、成熟度のステージによっては別のKPIを考える必要があると思います。

 私の観点からすると、そのKPIをどう定めるべきか、どういった選択肢があるかを知りたかったのが大きいです。キーエンスといえばソリューション営業ですから、そのあたりの事例があったらよかったなー。。。ただ、ファネル上流のボリュームがあることが大切とか、再現性が必要とか、ボトルネック把握と打ち手の検討のために定量化・可視化が必要であることは全面的に同意です。営業として若い段階のキャリアにいる方には、示唆に富む内容だと感じました。

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