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異色な主人公のこれ以上ないファンタジー。#立秋「精霊の守り人」


こんにちは。広報室の下滝です。
暑い日が続きますが、暦の上ではついに秋がはじまりました。社会人の方はもうすぐ夏休み、という方もいらっしゃるかもしれません。

せっかくの休暇ならどこかに行きたい、でも忙しくて遠出はなかなか…。という方に、今回は簡単に異世界へ冒険に出かけられる小説「精霊の守り人」をご紹介します。

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異世界に行く前の心得

ファンタジーって苦手。カタカナが多いと誰が誰だかわからなくなる。そんな方もいらっしゃるかと思います。

ですが、この作品は著者の上橋菜穂子さんがオーストラリアの先住民族「アボリジニ」研究者ということもあり、異文化がとてもわかりやすく描かれています。

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ひとまず主人公の気持ちで物語を追っていけば、自然に世界が見えてきますので、試しにページをめくってみてください。

主人公の設定はちょっと変わっていて、なんと“30歳の女用心棒で短槍使いの達人”。
なんとなく想像するファンタジーの主役とは大きく違っていて、これだけでも、一体どんな話なのだろうとすこし興味が湧いてきませんか?

主人公のバルサはある事件がきっかけで、まだ幼い皇子の護衛を依頼されます。
ところがそれだけでなく、皇子の身体には“恐ろしいモノ”が宿っていました。
その“モノ”に惹かれて、あるいは退治しようと集まってくる様々な存在。
そのすべてを敵に回しながらもバルサは戦い続けます。

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想像っていいものです

壮大な異世界の物語。
それでいて、ところどころで、湯気の立つおいしそうなお弁当には、甘辛のタレの鶏肉がのったご飯みたいな味かしら?と想像をかきたてられたり。

住居の様子も細かく描写されているので、いろりを囲む人々の様子がほっこりと頭に浮かんできたりと、不思議とどこか身近に感じられます。

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そして、どの登場人物にも深い人間ドラマがひそんでいるのも見どころです。

文章だけということは、想像が読者にゆだねられるということ。自分だけの世界を頭の中で楽しめます。
アニメ、ドラマと映像化もされている本作ですので、読後に観て、想像と比べてみるのもオススメです。

お手軽な本の旅に、この夏出かけてみませんか?

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-今回のここに注目!-
「この世に、公平なんて、もとからありゃしないのさ」達観した主人公のセリフが沁みます。。

女性用心棒のバルサはどんな生き方をしてきたのか、世の中を見る視野が広く純粋に「かっこいい」そして「頼もしい」。
続巻の「闇の守り人」ではそんなバルサの過去に迫るエピソードも。
ぜひ、バルサの重みのある台詞の数々にご注目ください。

■精霊の守り人 (新潮文庫)

著:上橋 菜穂子
出版社: 新潮社
定価:本体590円(税別)
文庫:360ページ
ISBN:9784101302720

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