cakesのおすすめ連載3選
私はcakesというwebメディアを愛読している。
cakesはnoteの姉妹サイトなので、ご存知の方も多いだろう。
私は月額500円で毎日ありとあらゆる記事を読み漁っている、ヘビーめのユーザーである。
そんな私が、全人類におすすめしたい連載を3つ紹介しようと思う。
〇メンヘラ・ハッピー・ホーム
"元メンヘラ"のスイスイさんが毎週読者からの質問に答えてくれる。
スイスイさんの経歴はこんな感じだ。
1985年名古屋生まれ。大手広告会社での営業を経て、コピーライター・CMプランナーに。2015年コラムニストを目指しnoteで執筆をスタート。cakesクリエイターコンテストで入賞し今連載がスタート。プライベートではメンヘラを経て100%リア充になり、現在二児の母。(上記URLより引用)
スイスイさんのすごさは、なんといっても思い込みを1つ1つ剥がしていく冷静さにある。
私がお気に入りに登録して頻繁に読み返している記事の中から、厳選したフレーズを紹介する。
"世のベスト座右の銘の一つに「迷ったときはより困難な方を選べ」というやつがある。
が、あれは向き不向きがありすぎる。
心が繊細なメンヘラには向かないので、当然ガン無視でOK!"
”自分の能力を信じるからこそ、苦手を避け、自分のパフォーマンスをあげる工夫をする、それを正しく発揮するための環境を整える。そして苦手なことなんかで人に否定されたとしても自分に絶望しない。”
”本来「つらい」には基準も資格もない。つらいは相対的なものではなく、各々が”つらい”と思った瞬間に「ハイつらい!」と認めていいもの。”
一般に、「こうあるべき」という常識とか理念とかいうやつに、私たちは予想外に強く縛られている。
「そういうものだから」と流さず、「本当にそうか?」と向き合うことで、悩みやしんどさが小さく攻略可能なものになることを、スイスイさんは教えてくれる。
メンヘラではないけれど、私もどうやら繊細とか神経質な方だ。
エムグラム診断すれば毎回「かなり繊細」と出るし、細かいことが気になってあれこれ考えてしまう(その痕跡はこれまでのnoteにも表れている)。
なんで私ってこうなんだろう…と、コンプレックスでもあった。
スイスイさんの連載を読むようになってから、ちょっとだけ図太く、たくましくなれた気がする。
繊細で傷つきやすい自分を受け入れて、その上でどうするかを、スイスイさんが示してくれるから。
〇三宅夏帆の文学レポート
これまでのnoteでも触れたことがあるけれど、文学徒の三宅夏帆さんが古今東西の文学作品を紹介してくれる連載だ。
三宅さんはこんな人だ。
京都大学大学院人間環境学研究科に在籍中の大学院生。2016年、天狼院書店のウェブサイトに掲載した記事「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫」がハイパーバズを起こし、2016年の年間総合はてなブックマーク数ランキングで第2位となる。本好きのSNSの間でその選書センスと書評が大反響を呼び、書籍化に至る。
大学院での研究領域は国文学で、テーマは「万葉集における歌物語の萌芽」。(上記URLより編集の上引用)
三宅さんの文章の面白さもさることながら、文学への愛が溢れている。
小説を面白く読むって、こういうことか!とコラムを通じて学んでいる気分になれる。
例えば、ヘミングウェイの短編を通して、小説の「読み方」を解説してくれるこちらの回。
若夫婦の話が、読み方によっては猫を欲しがる話にも、出産に関する話にも、国家間の関係の話にも見えてくる。
小説が書かれた時代背景を頭に入れることで、小説に示されるメッセージの読み取り方がこんなにも変わるのかと、目から鱗が落ちるような体験だった。
また、選書のセンスもいい。
アガサ・クリスティーのミステリーじゃない作品。
サリンジャーの「ライ麦畑」じゃない作品。
詩で有名な谷川俊太郎の、エッセイ。
メジャーになりすぎず、マニアックになりすぎず、「読んでみたい!」と思う塩梅を突いてくる。
私は中学生の頃まで本の虫で、ここ数年は全然本を読んでいなかったのだけれど、三宅さんの連載のおかげで第二次文学ブームが私に訪れている。
例えていうなら、「ふらっと本屋に行ったら熱心な店員さんにめっちゃおすすめされた本を読んでみたら面白くて、読書にはまった」みたいな状況だ。
読みたい本がほしいあなた、ぜひ読んでみてほしい。
〇ハッピーエンドに殺されない
文筆家の牧村朝子さんの連載だ。牧村さんはレズビアンで、ジェンダーやセクシャリティについての表現を続けている。
タレント、文筆家。2010年、ミス日本ファイナリスト選出を機に芸能界デビュー。2012年渡仏、フランスやアメリカでの取材を重ねる。2017年独立、現在は日本を拠点とし、執筆・メディア出演・講演を続けている。夢は「幸せそうな女の子カップルに"レズビアンって何?"って言われること」。
この連載では、ジェンダーやセクシャリティについてのエッセイや、悩み相談への回答が読める。
ジェンダーやセクシャリティって、最近注目されているのに、なんだかあまり好んで議論されていないような感じがしている。
むしろ、”なんだか難しそうだし…”と避ける人さえいる。
確かに難しい。
何がきっかけで人を傷つけてしまうのか、よくわからない。
慎重な態度を取る人が多いのも納得できる。
そんな人にこそ、牧村さんの文章を読んでみてほしい。
平易で、温かくて、伝わりやすい。
私はよく、牧村さんてなんでこんなに優しいんだろう、と思う。
あらゆる読者に対して、愛を振りまくような文章だ。
あなたはあなたのままでいいのよ、というメッセージを絶え間なく発信し続けてくれる。
性とか愛に悩んでいなくたって、弱っている時に読むと、じわじわ心が癒されていく。
〇まとめ
cakesの連載はこの3つだけじゃなく、まだまだ面白いものがある。
月額500円掛かるけれど、毎日違うコンテンツが届いて、月刊雑誌よりもお手頃な価格だなんて、すごいコスパのよさだ。
公開から1週間は無料で読めるので、興味があれば、ぜひ!