詩集「石」読書感想文。
2年程前に買った本。
最近やっと読み終えた。2年前の12月に、今は無きとあるバーで朗読イベントを開くにあたって、オススメの詩集ないですかと訊ねたところ、かとうさんが教えてくれた本。
オシップ・マンデリシュタームはかとうさんのお母様が好きだった詩人らしい。2年前はご健在だったお母様亡き後、僕がこの本を読んでる様子をみて、かとうさんが「母はココにいたのか」と言っていたのを覚えてる。
詩は音楽です。
とは、かとうさんの弁。
お母様がよく唄っていたと。
オシップ・マンデリシュタームの詩は、原語でこそ美しいらしい。この本の訳者も「結びに」で、こう触れている。
それは読んでいても、なんとなく感じる。どうやらマンデリシュタームの音楽とは違うものを読んでいる感覚。
読み味わうために足りないもの。
原語だけではない。歴史、文化、宗教、たとえばローマ、十字軍。詩人の人となりや生涯、たとえばスターリン・諷刺・逮捕。
中学の頃からずっと歴史や読書が苦手な僕は一生この本を味わうことが出来ないだろう。
それでも刺さる言葉。
それを見つけたら本を閉じよう。
読書が苦手な僕はそう決めて、1日2ページ、あるいは3ページ、またある日は10ページ読み進め、あるいは何ヶ月も本を開かない日があったりしながら、2年を過ごした。
その中で、強烈に心に刺さり、残った言葉がある。
言葉はいらないと言うのか。
僕はそうは思わない。
しかし、あまりに余計が多過ぎるのだろう。
言葉よ音楽に戻れ。僕はこう訳す。
言葉よ 音楽に還れ
あの景色の興奮も
君と笑ったあの道も
あの日叫んだ哀しみも
あの時聴いた震え声も
母が唄ったあの詩も
僕は、音楽に返していきたい。