職人と言えど、やるべき事
僕の職業はふとん職人だ。
初めてあった人は「ふとん職人??」って顔をされる。
今では少なくなったが、僕が家業に入った時は、そんなことの連続だった。
布団って羽毛だよね。綿のふとんなんか使っている人いるの?
ベッドが主流なのに、布団使う人いるの?
こんな声がたくさん聞こえた。
長い歴史の中で、日本人にとって布団は日用品であり、片付ければそこが部屋になるという便利な道具である布団。
谷崎潤一郎の「陰影礼賛」やブルーノムナーリ「芸術としてのデザイン」にも和室や布団の話は出てくるほど、布団は良いものだ。
しかし、良いものだと言っているだけでは伝わらない。
昔ながらの職人は良いものさえ作っていれば、いつかは伝わると思っている。
でもそんな事はあるわけでもなく、誰かが見つけてくれて、ヒットが出る事はそんなにあることじゃない。
10年位前の事。エルメスが職人に注目した映像を作った。
「Hearts and Crafts」
前回のnoteに書いたが、僕は学生時代革細工が趣味だった。なのでエルメスの革製のブレスレット買ったり、本を読んだりして、学んだというよりかは楽しんだ。
そんな憧れだったエルメス職人の映像を見た時に、職人の生きる道はこれだと確信をした。
生きる道と言っても職人仕事を全うするとかの類ではなく、動画を見て布団を作る動画を作ろうと思ったのです。
初めは何からして良いかわからず、フォトグラファーの今井美奈さんにお願いした。
それが2012年だった。
彼女は母親同士が友人ということから、僕の職業を理解しており、父との関わりも分かっているからお願いをした。
そしてできたのがこの動画だ。
音楽は友人のQu-Kiの落合さんにお願いをした。
とても良い雰囲気に仕上がった。
当時の自分としては、これで良かった。
いや、むしろ最高だった。
音楽まで作ってもらえるなんて、物凄く幸せだった。
しかしこれでは毎回お願いをして撮ってもらわなくてはいけない。
流石にそれは非効率だし、お願いされる方も迷惑だと思った。
で、思いついたのが自分で撮ろうと。
動画編集は大学卒業するかしないかくらいの時に雪山でスキーでエアなどをしていた時、ビデオで撮って編集してたことがあった。その知識を活かせば何とかなりそうだし、一眼レフのムービーを使えばいけそうな気がした。
またinstagamで動画も1分アップ出来る事など、色々と重なったこともあって、自撮り・自編集をすることに。
昨年末に東海テレビの「タイチサン」に出演させていただいた時に、番組の中でプレゼントした「お昼寝ふとん」の動画です。
※画像をクリックするとIGTVに飛びます。
https://www.instagram.com/tv/CIcUDaJFvC-/
IGTV用に縦にしたりと色々と工夫すると躍動感も出たりと面白い。
自撮りすることで、技術や素材も見てもらえるし、自分の価値観も見てもらえる。
職人を言えども、自分で何でもやることが大切だと思う。
とはいえ技量やセンスには限りがあり、やはりプロにお願いすると違うなって思います。
ZEN Stoolの動画は撮影も編集もお願いした。
うん、やはりいいな。
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