丹羽ふとん店 5代目 丹羽拓也

丹羽ふとん店5代目。名古屋で伝統的な木綿ふとんを作る職人をしています。古くからある木綿…

丹羽ふとん店 5代目 丹羽拓也

丹羽ふとん店5代目。名古屋で伝統的な木綿ふとんを作る職人をしています。古くからある木綿ふとんの良さを考えながら、日々新たなコトを探りながら職人をしています。

最近の記事

Daybed Futon=お昼寝ふとん

ロンドンのノッティングヒルに店を構えるnative&coで昨年の秋からDaybed Futonを販売することになった。 前から当店のお昼寝ふとんをロンドンで販売したいと言って頂いていたのだが、今通常のふとんは4年ほど納期に掛かる中、お昼寝ふとんなどプロダクトとして販売している商品は少しずつだが時間がある時に作ってきた。 通常の敷ふとんや掛ふとんは父と分担して仕立てを行うが、他のプロダクトについては僕が時間のある時に少しずつ制作している。 コロナ渦ということからお昼寝ふと

    • 言い続けて行く事、行い続けていく事

      ふとんを作る職人になって17年。 「もう」と感じるか、「まだ」かと感じるかはそれぞれだが、僕の中ではどちらでもない。 大した思い描くビジョンもなく、目の前にある事ひたすらやってきた17年。 色々な事をやらせてもらったし、考えさせてもらった。 家業であるふとん屋を継ぐと決めた時、僕は思った事がある カッコいいふとん屋になる と。 周りにも言っていた。 サラリーマンの僕は会社を辞める時に大きな大義が必要だと思っていた。 就職氷河期に上場していた電器メーカーを辞める

      • UOMOに掲載して頂きました

        もう15年ほど前から一貫して同じものを作っている。 作り始めて時は、端切れの生地がもったいないという事で、何か出来ないかと色々と考えたきっかけで「ごろねまくら」を作る様になった。 初めは適当な生地で作っていたが、ある時プロダクトデザイナーの話を聞いた時に、 「自分が作ったデザインは流行ではなく、ずっと作り続けたいデザインなんだ」 という話を聞いた。 その時に僕もこんな風に一貫した考えを持ちたいと20代の頃に感じていた。 そのデザイナーの言う通り、僕も長く作り続ける

        • 動画や写真を撮るだけと言っても

          以前より写真や動画は自分で撮るべきだと主張する私なんですが、カメラに関してはさほど触れることもなくずっとNikonを使ってきた。 子供が生まれた位に「ダカフェレンズ」と言われたSIGMAのf1.4のAPS-Cのレンズを買った。 ボディは何を買って良いかわからず、また無知だったので、NikonのD60というとりあえず一眼です的なカメラを買った。素人の僕にはそれでも十分テンションの上がる事だった。もう13年ほど前の話だ。 このカメラとレンズで僕は家族を撮り、また時に仕事のリ

          自分自身では気付かない

          9年ほど前、突然電話が鳴った。 母が出て、何を言ってるか分からないから代わって欲しいと。 僕が変わるととあるブランドの名前を言っている。 今は無くなってしまったブランドだが、デザイナーがそれぞれ違うブランドで活躍している。 その一人がholkの山本さんだ。 電話は彼の下で働いていた若者だった。 その彼が座布団を販売したいと。 今まで色々とやってきたが、アパレルで座布団を売るとはと思った。 しかし今では結構アパレルのブランドでも座布団を出しているところもある。

          自分の仕立てた座布団がロンドンで・・・

          以前書いたnoteにロンドンで実演したことを書いた。 その後ロンドンのノッティングヒルに店を構えるnative&coさんとの繋がりが出来た。 僕は新婚旅行でも行くくらい、イギリスに興味があった。 学生時代にファッションが好きになり、Barbourなどイギリス製の服・靴・鞄を使っていた。 バイト代は全部服につぎ込む少々痛い学生だった。 そんなこともあってイギリスで実演ができる事になった僕は何があるか分からないままLondon craft weekに臨んだ。 その時の

          自分の仕立てた座布団がロンドンで・・・

          職人と言えど、やるべき事

          僕の職業はふとん職人だ。 初めてあった人は「ふとん職人??」って顔をされる。 今では少なくなったが、僕が家業に入った時は、そんなことの連続だった。 布団って羽毛だよね。綿のふとんなんか使っている人いるの? ベッドが主流なのに、布団使う人いるの? こんな声がたくさん聞こえた。 長い歴史の中で、日本人にとって布団は日用品であり、片付ければそこが部屋になるという便利な道具である布団。 谷崎潤一郎の「陰影礼賛」やブルーノムナーリ「芸術としてのデザイン」にも和室や布団の話

          職人と言えど、やるべき事

          ふとん職人が作る、新たなプロダクト

          名古屋市熱田区に店を構える丹羽ふとん店5代目の丹羽拓也です。 職業はふとん職人です。 ほとんどの人が布団を手作業で作っているとは思わないでしょう。 しかし僕は家業が故にふとんは手作りだとずっと思っていた。 僕がふとん職人になったのは2004年のことだった。 大学を出て、大手の電器メーカーで営業をしていたが、どことなく仕事に満足出来ず、就職難という時代だったのか「Pen」や「BRUTUS」で職人を特集する記事が多かったような気もする。そんなこともあって職人に憧れがあっ

          ふとん職人が作る、新たなプロダクト