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春の慶び(はるのよろこび)2022-2023 

今年も年末年始、箱根のポーラ美術館「しあわせな犬」彫刻周りに期間限定のインスタレーションを制作させていただきました。

美術館のメイン展示は「ポーラ美術館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて」。

よく取り上げられているピカソの独創性のみならず、どういった人物の影響でどのように作風が変わっていったか。青、と一言で言ってもどのように青の色が作られているか、どのようにあの独特な構図や作品は作られていくのか…など一歩踏み込んだ内容になっており、より深くピカソを知ることができて、非常に楽しめる展示です。

ピカソ展鑑賞の折は、ぜひ遊歩道へもお立ち寄りください。遊歩道入り口近くにあるこのインスタレーションの鑑賞が、新しい年への活力となれば、何より嬉しいです。

期間限定の展示の廃棄物を減らす試みを始めて数年が経ちました。今年は昨年のインスタレーションで利用した球体の芯材、過去の設営で利用した台座や支柱の一部を再利用しています。
球体を覆う布の部分は環境にやさしい染料を使用して手染めをしています。
何より建築家、安田幸一さんによるこの建物のデザインのファンなので、この建築の雰囲気を壊さないよう配置や色の選択はかなり気を使います。今回は地面から春の息吹が湧き上がるイメージだったので、動きのある配置にしつつ、それぞれが周りのパーツと良い共鳴をするよう、デザインしました。
何度も模型を作り直したりたくさんの計算をして配置図面を作りますが、結局最後は「カン」頼りです。今回も外周を何周も回って実物を見て、最終的に4本の支柱の位置と高さを現場で変えました。
大事なのは、作品の中に「気が巡っている」と感覚的に感じられることです。
私が、大事にしていることです。
人工的な光は一切使わず、陽の光が当たった時と当たらない時でそれぞれ違った印象、色が現れます。
美術館外周をぐるっと回りながら見ると、球が動いているように見えます。
見る側が動くことで作品に動きが見える「アニメーション」をイメージしています。


「春の慶び(はるのよろこび)」niŭ
■2022年12/11(日)〜2023年1/15(日)
■ポーラ美術館・「しあわせな犬」彫刻周辺
 (館内チケットカウンター横、館外遊歩道外周から鑑賞可能)
■〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
■TEL 0460-84-2111
■9:00AM—5:00PM(入館は午後4時30分まで)
 年中無休(展示替えのため臨時休館あり)
■https://www.polamuseum.or.jp
■http://niu-official.com

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