次世代型ゲリラ戦争としてのヒズボラ

リンク先の記事にあるとおりですが、イスラエルによるレバノン侵攻時のヒズボラは、従来のゲリラ戦争の利点を生かしながら、国家の正規軍と正面切って互角に交戦できる(しかも正規軍の支援なく)、新しい領域を開発したと言えるかもしれません。

もちろんヒズボラは、イラン革命防衛隊の対外工作部門・コッズ部隊の軍事・経済支援を受けていますが、ヒズボラが根拠地としているレバノンでは、レバノン国軍・警察はヒズボラに対して何も影響を与えることができず、事実上ヒズボラがレバノンを乗っ取っていると言ってもいい状況です。

なので、イスラエルのレバノン侵攻も、イスラエルとレバノンの国家間戦争ではなく、イスラエルとヒズボラの非対称戦争でした。

しかし従来考えられていたような、非国家主体がゲリラ戦を行う形の非対称戦争ではなく(もちろんその形式も用いましたが)、ヒズボラがイスラエル軍の機甲部隊相手に正面切って戦闘する、しかもイスラエル軍に少なくない損害を与えて停戦に追い込むほどの戦闘を成し得たというのは、特筆すべき事実です。

もちろん、ベトナム戦争でもベトコンがアメリカ軍相手に戦闘しましたが、しかし基本的には北ベトナム軍という国家の正規軍とアメリカ軍との間の戦争であり、ベトコン単体でアメリカ軍と戦ったわけではありません。

なので、レバノンという国家を脇に追いやって、ヒズボラがほぼ単独でイスラエルという国家相手に交戦して損害を与え、停戦にまで持ち込んだというのは、非国家主体の闘争手段としてのゲリラ戦という観点から、非常に重要な意味を持ちます。

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また、ヒズボラは単なるテロ組織ではなく、合議制の最高意志決定機関を持ち、その指揮命令系統下に機能別の指導部門を持つ事実上の国家としての実力を把持した非国家主体であるということです。

こうして、レバノンの内部であえて国家内国家として存在するあたり、国家として建国して崩壊したISよりも非常に政治的に老獪でしたたかな組織であると思います。

こうしたヒズボラの組織構造や政治的特徴などは、グローバリストと戦うための自給自足型・生活保障共同体を構築する上で学ぶべきところが非常にたくさんあると思いました。


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