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いい想い出は、更新しなくていい

2021年、その年の11月に初めて開催される音楽フェスの運営をしていた。コアメンバーとして時間もたくさんかけて、わからないことしかない状況だったけど、なんとか無事にやり切れた。

同じコアメンバーは約20人。自分が携わったのは3ヶ月ぐらい。その3ヶ月は本当に濃かったし、大変だった。でも楽しかった。

終わった後の振り返りの時間で、10年ぶりぐらいに人前で泣いたことを覚えている。抑えようと思っても抑えられなかった。だから、自分にとって本当にいい想い出だったなと、今振り返って思う。

コアメンバーとしてガッツリ関わるのは、その年限りの予定だった。1回目に関われたのは自分としても楽しかったし、これ以上の想い出はできないだろうと。

ただ、頼ってもらえると断れない部分があって、3回目のフェスを開くとなった昨年、もう一度しっかりと関わることにした。

結果、最後までやり切れずに投げ出してしまった。


詳しいことはもちろん書かない。わかりやすく言えば、対人関係の部分で許せないことがあった。

1回目、一緒にゼロから作り上げてきたメンバー2人に、ここ数年で一番というほど怒った。怒りながらテキストの文字を打つと、ここまで冷静さって無くなるんだと、そのとき初めて知った。

そんな終わり方をしてしまったから、1回目のいい想い出は、どうしてもかすんでしまう。人間、やっぱりネガティブな感情のほうが、強く残ってしまうのだなと。

「あの楽しさをもう一度」「あの感動をもう一回」
もちろんそれが現実になることもあるはず。でも、自分はならなかった。

それは自分が怒った相手が悪いんじゃなく、単純に人を受け入れる力が、まだまだ弱かったのだと思う。


いい想い出は、無理に更新する必要なんてない。
そのままにしておくのも、人生を考えると悪くない選択肢。


あと何日生きるのかわからないけど、「これで十分だ」といういい思い出も、これからもたくさんつくっていきたい。


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