追う者と追われる者の間に生まれる、ある感情。大和屋竺監督、「毛の生えた拳銃」をみて
この映画の内容の肝は、コミカルな二人組の殺し屋が、ヤクザに追われる青年、『司郎』を、最初は依頼人の命令通りに殺しにかかるが、彼と銃撃戦などを交えているうちに、青年、司郎が段々と、いとおしくなり、司郎の存在が徐々に〝殺しのターゲット〟からある程度、親愛を超えた〝追いかけたい存在〟に変わっていくというものだ。
この構造は、アニメ、ルパン三世の銭形警部と、ルパンの関係性によく似ている。
『追うもの』と『追われるもの』、これは、ある種ストックホルム症候群的な、本来、敵対するもの同士が相手の人間性などに惹かれて、愛情に似た感情を抱くに至る、という極めて吸引性の高い、普遍的な、そしてとても歪な愛着心が出来上がる、というひとつのメロドラマである。
この映画は、男同士の、性別を超えた純愛傑作ラブ・ストーリーである!以上!
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