コロナの時に使える 心理学知識4選
2020年4月20日現在、コロナウイルスの世界での蔓延が止まらぬ状況です。
感染症の専門家らは「100年に一度の未曾有の事態」と評しています。
戦後の世界史における最大級の異常事態であり、
新型コロナウイルスは現代資本主義への挑戦とも言われています。
非常事態だからこそあぶり出される、組織や個人の本性
このような非常事態のもと、初めてのことで組織も個人も不安を駆り立てられ、平常時にはみえなかった本性があぶり出されます。
今回は、昨今の新型コロナウイルスのご時世に知っておきたい、心理学特に社会心理学的知識を提供したいと思います。
これらの知識を知っておくことにより、皆様はより冷静に状況を判断し、より正しい行動を取ることができると思います。
今回紹介する社会心理学知識
・パニックの発生メカニズム
・集団的浅慮
・吊り橋効果
・ピグマリオン効果
パニックの発生メカニズム
パニックはどのようなときに起こるのか。
そう、それは非常事態になったときです。これは当たり前です。
重要なのは、もう一つ必要な条件があります。それは
・逃げ道が限られているとき、閉ざされようとしているとき
例えば、コロナ情勢に結びつけて考えるみると、
ある日突然、軍事力などの強制力によって外出不可(例えば外出したら撃たれてしまう)となったとき。つまり、逃げ道が完全に閉ざされたとき。集団はパニックになると言うより、絶望したり、諦めたりします。
一方で、「明日9時から外出不可とします」と通知される状況。つまり逃げ道が残され、閉ざされようとしているとき、集団はパニックを起こし、買いだめ競争や大渋滞を起こすのです。
集団的浅慮(groupthink)
集団的浅慮とは、個人レベルでは正しい判断ができるのに、集団で考えることによって間違った判断をしてしまうことです。
最近、コロナ蔓延により、その対応策を練るための会議が増えたのではないでしょうか。
どうでしょう。何度も長時間を割いて会議をしたはずなのに、大した決定事項が出なかったり、決定事項が冷静に考えてかなり的外れになってしまった体験はないでしょうか。
集団的浅慮に陥りやすい条件として
・集団の結束力が強すぎて閉鎖的となり、反対意見がでず、外部の忠告を受け入れない
・集団に何らかの成功体験があり、自分たちは大丈夫と過信をすること
などが指摘されています。
吊り橋効果
こちらは今回とりあげる中でもっとも有名ではないでしょうか。
吊り橋効果とは、吊り橋を渡っている時のように怖くて心臓がドキドキするような状況では、無意識的に目の前にいる人(一般には異性)に行為を抱いているからではないかと錯覚すること。
いま、コロナウイルスのパンデミックという異常事態において、
「自分が感染してしまうのではないか」「今後の生活は大丈夫だろうか」と恐怖心で胸がドキドキしている方も多いのではないでしょうか。
もしかするとそれが自分の側にいる人への好意と重なりあってしまうかもしれません
そして、新たなパートナーになるかもしれません。
しかし、注意が必要です。そのドキドキは錯覚です。
映画「スピード」のセリフのように、「異常な状況下で結ばれたカップルは長続きしない」のです。
ピグマリオン効果
こちらは心理学好きの方は知っているでしょうか。非常に役立つ心理学的効果です。
ピグマリオン効果とは、人は他者から期待されることで、実際にその期待に見合った振る舞いをするようになる効果です。
コロナウイルスの感染予防に関して、様々な行政機関が啓発運動をおこなっています。
その中にはピグマリオン効果を利用したものがみられます。
例えば最近話題になった、英国エリザベス女王のスピーチです。
https://www.youtube.com/watch?v=dsA9ythkSw4&t=65s
ピグマリオン効果が用いられているのは、0:52からです。
「自宅に留まっている皆さんにも感謝します。皆さんが家にいることで弱い人たちを助け、愛する人を失った多くの人々の悲しみを、他の人たちが経験しなくて済むのです。」
素晴らしい言葉です。
自宅に留まっているだけで特段の社会貢献しているわけではない国民に対して、何と女王みずから繰り返し感謝の言葉を述べています。これにより国民への期待をかけているのです。この期待を受け、庶民は女王の期待通りに振る舞おうとすることになるのです。
以上、コロナのご時世で役立ちそうな心理学知識を紹介させていただきました。
この他にも紹介したい心理学効果がいくつかありますので、今後続編にて紹介させていだきます。
ウエスト執筆
皆様の生活を豊かにする教養と知恵をお届けします。
ぜひご覧ください
http://intelligencenerg.sakura.ne.jp/wp/
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