『デイサービスの送迎ドライバー日誌 第1回』(2020年6月11日(木)記)
●某年某月某日
初日。WWW(=「WワークW」の略)の。本業はまだヒ・ミ・ツ!
さて、ココはどこ?
某国某都道府県のとある某デイサービスでR!
私は誰?
私は某デイサービスで送迎ドライバー(別名、介護福祉ドライバーやケアドライバーなど)を始めて、1ヶ月以上1年未満が過ぎた、齢20歳以上50歳未満の成人男性か成人女性でR!
ま、何にしろ、名乗るほどのモノではありませんが、便宜上、西町と適当に命名しときました。
ご覧の通り、簡単な自己紹介も済んだもんで、とりまデイサービス利用者の朝と夕の送迎を福祉車両で行う送迎ドライバー(別名、介護福祉ドライバーやケアドライバーなど)のとある1日の流れを発表会しようそうしよう(個人情報なんたらの為、当然デイサービス利用者は仮名、年齢詐称、"某"などボヤかした表現を多用してますねそうですね)
【デイサービス利用者の朝と夕の送迎を福祉車両で行う送迎ドライバー(別名、介護福祉ドライバーやケアドライバーなど)のとある1日の流れの発表会】
朝8時ピッタリに出勤! ガチャンとタイムカード! 管理社会、万歳!
まず今日の送迎表を確認し、トイレに行ったりしてから、8時10分には福祉車両の軽自動車に乗り込み、一人目の利用者のお宅まで、お迎えに向かう、ブゥ〜ン!
8時20分の定刻ピッタシ! 一人目の鈴木さん(仮名、90代希望、成人女性)のお宅の前に車を横づけにする。
パラリラ・パラリラァ〜とクラクションを鳴らすまでもなく、ピンポーンとピンポンダッシュする暇も与えず、車の停まった音を目ざとく、いや、耳ざとく間髪入れずに聴きつけた鈴木さんの旦那さんが、朝も早よから待ち焦がれて待機していたであろう玄関の扉から勢いよく飛び出てくる。
でも、利用者は鈴木さんの奥さんだ。認知症が進んでいるからか、注意力散漫と言うか注意力旺盛で一歩歩いては「あら、お花がキレイに咲いたわ」、「あ、向こうからワンちゃんが歩いてくるじゃない」、「赤い自転車は早いわねえ」と視界に入ったものに片っ端から気を取られては、いちいち感想を述べるために、わざわざ立ち止まってしまう。
「おい、そんなことはどうでもいいから、早くするんだよ!」とナチュラル牛歩戦術の奥さんをグイグイ引っ張ろうとする生き急ぎな旦那さん。
(ま、待って!そんな急に思いっきり引っ張ったら転ぶ、転ぶ!)と思いながら、「ゆっくりで大丈夫ですから」と、たぶん奥さんの認知症が進んでいくことを認めたくない旦那さんをなだめながら、奥さんをゆっくり手引きする。
ちなみに、手引きとは奥さんの(別に奥さんだけじゃないですが)両肘を、自分の両手でそれぞれ支えて、あ、この時、私は後ろ向きにソロソロ進む感じで、奥さんには私の二の腕あたりを握って貰いながら、一歩進んでは立ち止まって感想、一歩進んでは立ち止まって感想、例の唄よろしく一歩進んで二歩下がるバックオーライなんかも挟みつつ、イライラしている旦那さんの目の前で、奥さんを車の後部座席に押し込んで連れ去る。
と言うは易しで、玄関から横付けした車まで大した距離ではないのにようやくたどり着き、あらかじめ開けっ放しにしておいた後ろのスライドドアの下にはこれまた準備万端の踏み台に、まず奥さんの右足を乗せようとするが、奥さんの足が上がらないわけよ、たかだか10センチくらいの踏み台なのに。
アンヨが上手じゃないだけでなく、奥さんのオテテは左手を、助手席の肩についてる持ち手に導き、握らすのも一苦労。
なんとかかんとか奥さんの左手に持ち手を握らせ、右手は後部座席のヘッドレストを持って欲しいところ崩れ状態くらいは気にせず、いつの間にか両足は踏み台の上に乗せ終えていたので、「さあ、まずは右足を車内に踏み出しましょう!」と言うところで、なぜか右足が地面に逆戻り。
「戻るんじゃない、車に乗るんだよ!」とごもっともな旦那さんを「まあまあ」となだめつつ、もう一度右足を踏み台に乗せて、奥さんのバックに回り込み、腰をかがめて、右足首を軽く持ち上げようとすると「痛い痛い」と奥さん、「痛いわけないだろ!」と旦那さん、気にせず右足をやさしく車内に導く間男じゃなくて、ワタクシめ。
まあ、奥さんの左手が持ち手、右手が後部座席のヘッドレストあたり、そして奥さんの右足が車内に乗れば、後は奥さんの肉体を逆時計回りに回転させつつ、奥さんのお尻を座席の上に持ち込めさえすれば、後は引力さんだか重力さんだかのお陰様で、自然にストンと着席! 礼! 起立!はすぐデキないのはいいが、左手に握った持ち手から手を離すのにも一苦労。「手を離せー!」と旦那さん。
とまあ、一時が万事、こんな感じなので家での夫婦水入らずな老々介護最前線の旦那さんの毎日苦労が偲ばれますな。
奥さんをちゃんと腰深く着席させて、両手もフリーにさせたら、「失礼しまーす、シートベルトしますね」とシートベルトを装着して、ようやく一丁上がり!
旦那さんから着替えやお風呂セット、オムツなどが入ったカバンを受け取ったら、「それでは、いってきます!」と運転席に乗り込み、朝から夕方まで奥さんを連れ去る。
その間だけ、旦那さん、ごっゆっくり〜!(続く。だって、まだ朝の送迎の1人目の途中ですからねッ!)
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