【表現評論】メモリーズオフ ゆびきりの記憶 コアレビューその21 詩名ルート5【全作再プレイシリーズ】
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⚫︎そろそろ気付きそう
学校帰りの会話。さすがの直樹君もそろそろ気付きそうだけど、亨の邪魔が入ってキャンセルされる。絶対に気付かせたくないライター。引っ張るねえ〜。リサルートだったらもうここで気づいて終わってるレベルだよ。そう考えるとリサルートの短さは異常ですね。メモリーズオフ恒例の歳上おまけヒロイン並みの短さ。実は恒例というほどいない。実際は小夜美と鈴だけ。静流と瑞穂はそれなりにシナリオが長い。メモリーズオフで極端にシナリオが短い(と感じている)のは次のとおり。
この並びでリサが含まれてるのはなかなか違和感がある。ゆびきりは共通ルートが長いから、リサ全体で考えると短くないかもしれないけど。ヒロインによって長さに違いがあるのってなんでしょうね。容量の問題があるわけではないと思いますが。ライターが外注だったら文字数で報酬が発生するとか。
⚫︎ひたすら探りを入れる詩名
アタシに気があるのかないのかを探ろうと、微妙なジャブを撃ち続ける詩名さん。直樹君結構効いてるよ。もうジャブだけでKOできそう。匂わせってまあズルい好意なわけですが、こういう匂わせは好ましいと感じる。だってさ〜、こっちから言ったらちなつに申し訳立たないじゃん。匂わせのダメな例はあれよ。巴と健ちゃん。申し訳が立たないのは巴も同じだって? それはそうなんだけど。なんか違うんだよね。直樹君とちなつは付き合ってないんだから、倫理的に問題はなかろうよ。巴の場合は健ちゃんとほたるが明確に恋人関係にあるので、倫理的に大きな問題がある。倫理的に問題があるということは、応援したくならないということです。応援したくならない人が匂わせしてたら、う〜んという話。応援したくならない主人公やヒロインがいていいのか。いいけど。みんな違ってみんないい。詩名はズルくないのかって? だって直樹がちなつをなんとも思ってないんだから仕方ないでしょうが。ズルくないよ。
⚫︎詩名のクッキー
普通の味だった。やっぱり詩名はできる子なんだって。あすかは絶対上手くならないけど、詩名は上手くなりそうって言ったし。
食べてもらえるようにって誰に? などと妄想してヘラる直樹君。めっちゃイライラするわ〜と。まだ好きだとは気付いてない。小学生の恋か。小学生の国語の教科書か。このルートはその部分は非常に丁寧に書いてますね。ただの後輩からちょっと気になる存在へ。ちょっと気になる存在から四六時中頭によぎる存在へ。
⚫︎アンジャッシュ的コント
バイト中に浮ついたことを考えている直樹君。もはやアンジャッシュのコントにしか見えなくなってきた。直樹君の勘違い風コント劇場ですやん。ユーザーも周りもすぐ気づくのに、直樹君だけ気づかないのが最高にコント。でもまあ、世界で自分だけ勘違いしてそうなことってあるかもしれませんね。気付いてないだけで。一生気付かずに人生が終わるのかもしれない。
⚫︎久しぶりにちなつ
出てきたのいつ以来だよ。久しぶりにツインテールを見ましたよ。ルートに入ると霞と変わらない出現頻度になってる気がする。リサルートではガンガンに出てきましたからね。ちなつと腕組んでるところを詩名に見られて咄嗟に離れる直樹君。いやぁ。この辺の描写は地を這うように丁寧にやりますね。詩名ルートは記憶にほとんどなかったけど、割といいルートなのかもしれない。詩名も以前と違ってその様子を見てヘラってます。しかしこんな様子でちなつと付き合ってるわけではない、ちなつのことは何とも思ってないとか言われても通じませんわ。世間の常識的に考えて。これは直樹君が悪い。志雄君も悪い。なぜか飛び火する男。だってあっちも正式に付き合ってるわけじゃないアピールが凄かったし。周りはそうは見ませんよ。
⚫︎文章が増えていく理由
シリーズを追うごとに文章が増えていく理由がなんとなくわかってきました。基本的に最近は過去作と比較しながら書いてるので、シリーズが進むごとに比較対象が増えていくんですよね。あの時のあれはああだったな、みたいな比較すべきイベントがどんどん増えていくので、必然的に文章も長くなっていく。キャラも増えていくし。