【表現評論】メモリーズオフ6 T-wave コアレビューその29 智紗ルート3 【全作再プレイシリーズ】
⚫︎前回の記事
⚫︎格差社会
恋愛は生まれ持った属性で格差が生まれるものの最たる例ですが、その恐ろしさは金銭の格差や学歴の格差などとは全く性質が違います。なぜかと言えば、解消する術がほとんどないから。持たざる者は全てを諦めて受け入れるしかないのが悲しい。亨は見込みのない相手に突撃してるだけなので、持たざる側ではないけど。人間がアバターで生活するまで待たないとどうにもならないですね。そしたら内面格差が生まれそうですが。内面もプログラムをインストールできるまで待つしかない。そんな段階に人類が到達したら恋愛なんて概念が残っているのだろうか。その前にちょびっツみたいなアンドロイドが代替するよう世界観が来るのか。コスト的になさそう。
⚫︎なぜここまで愛されてるのか
デートに誘っただけで天に昇るほどの喜びよう。なぜここまで愛されてるのかは全く謎。
⚫︎水にトラウマ
デートで水族館に誘うと言葉を濁す箱崎さん。話題が海の話になってさらにテンションが下がっています。りりすルート通ってきてるから、もうネタバレしてるようなもんだよ。これは。りりすルートは智紗ルートの後にプレイするように設計されてますよね。普通に考えるとその順番だし。
⚫︎持ち上げて落とすターン
遊園地でデートしている最中に、両親のことを尋ねられる志雄君。母親の話をしたところで智紗の顔色が悪くなります。まだ真実は開示されてないけど、志雄の母親が助けた子供が智紗だったって話ですよね。そうなるとメモリーズオフ的なトラウマ指数は、りりすよりも圧倒的に智紗の方が高くなりそう。りりすに比べて因果関係が明確すぎるし。つまり真のヒロインは智紗だったんだよ。
ということで、過去の真実に気づいて智紗の態度がそっけなくなります。そりゃ好きな男の母親を(間接的にとはいえ)殺したのが自分かもしれないとなったら、そうなりますよね。後夜祭でお返事待ちますとか言ってるレベルではない。即別れないと。
⚫︎資格がない
智紗が理由もわからず志雄君を避けるようになったため、りりすが激おこで問い詰めた際のセリフ。
二人とも資格という言葉が好きらしい。志雄君検定なんかないだから、好きになるのは自由です。ただ志雄君がどう考えるかだけ。結局相手がどう思うかですよ。りりすルートも智紗ルートも、人間関係を自己完結させてはならないという重要な示唆を含んでいる。
それにしても、好きになるなんて、なっちゃいけなかったんだよ、という日本語は正しいのか。正しいとは思うけど、どこか違和感がある。迫真の演技なのでなおさら。志雄君を好きになっちゃいけなかったんだよとか。志雄君を好きになるなんて、そんなのダメだったんだよとか、そんなのあっちゃいけなかったんだよとか。違和感はないけど、なんか物足りないな。やっぱりこのテキストで正しいのかもしれない。若干違和感があるけど、物足りなさはない。プロは違う。
⚫︎大事なものはなくなってから気づく
智紗がいなくなって智紗が大事だったと気づく志雄君。なんでもそんなもんですよ。金だって有り余ってる時は重要さに気づかないし、健康だって健康な時にありがたみはわからない。人間は危機的な状況を体験しないと何もわからない。体験したとしてもしばらくしたら忘れる。そんなもん。
⚫︎後夜祭
引きこもって出てこない智紗を家まで迎えにいく志雄君。インターホンを押しても出てこないので、窓に鍵を投げつけてベランダに呼び出す荒業を実施する。後夜祭に出てこいやと伝えますが、相変わらず資格がどうたら言ってる智紗です。それに対して男気を見せます。
ということで智紗を引っ張り出して学校まで連れていって仮装パーティのドレスを着させて男気告白します。
ただ返事は鈍い。まだ重要なこと何にも話してないからね。
というところで物語は一旦終わります。次はトライアングルルート。このEDも名曲なんだよぁ。マインドループ。声がいいよね。歌なんて声の良さが99割くらいを占めている。
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