【表現評論】メモリーズオフ初代(1st) コアレビューその9 唯笑ルート(終)【全作プレイシリーズ】
●前回の記事
●唯笑TRUEルート
唯笑は二つルートがあります。こっちは好感度が低い方のルート。
●いよいよ最後のキャラ
真ヒロインの唯笑さんです。ルートに入った瞬間ヘラモードになるんだよなぁ。今まで我慢して来たけど、彩花がなくなったダメージはきっちり唯笑にも入っていたというお話です。なぜ今、という気はしますが。智也が映画行きたくねえって言ったのが効いたのかな。冒頭から普通に唯笑の提案をことごとく切り続けてますからね。主人公が彩花を意識していのは明らかで、映画の件で爆発したのかもしれない。ヘラというにも可哀想なほどの仕打ちを受けてます。爆発するのも仕方がないとも言える。
メモオフのヘラっちゃうキャラはそこそこいますが、その系統で最強なのは優梨子です。むぁじで言ってることがコロコロ変わるんで、メンヘラの魂が濃縮されています。しかも主人公のトラウマを抉ってくるという高純度キャラです。ただし一回辺りのヘラの強度は低い。ノエルもなかなかですが、優梨子とはタイプが違います。ノエルは一回大爆発したらしつこいやつ。この二人がツートップ。
●大喧嘩
喧嘩して唯笑を他人呼ばわりする主人公。信がチャンスだから俺唯笑ちゃんぐに告白するわ〜と言ってきます。まあ主人公を焚きつけるための猿芝居ですね。デートの約束を取り付けた信は、ねえねえ、唯笑ちゃんどんな映画が好きなの、告白はどこですればいいかな、などと無慈悲な言葉を浴びせかけ、主人公ブチギレです。信は全く動じず。全部計算通りという感じ。
●解釈違い
私は以前このようなことを申しました。
で、信とのデートに割り込んだときに唯笑のセリフがこれ。
はい。すみません。ドヤ顔で謎解釈を披露していましたが、見当はずれでした。謹んでお詫びを申し上げます。このレビューでは決してサイレント修正はせず、間違っていたらその都度お詫びをします。名前も結構間違いまくってたし。いやぁ。昔の記憶って本当に当てにならないですね。過去の俺を信じるな、人の記憶を信じるな、という教訓です。
そんだけ好きでも、彩花だから許せたというね。唯笑と彩花の繋がりの強さを感じさせるセリフもあります。でもさ〜、これ彩花生きてたら絶対にどっかで衝突したんちゃうの。やっぱりH2理論は的外れでもないのでは。最後はスライダーじゃなくてストレート投げるんじゃないの。知らない人には全く通じない上に、往生際の悪さを発揮する男。結局仲直りして付き合ってひとまず一件落着なんだけど、計算の内だとは言え、信のピエロっぷりが凄い。半分は本気っぽいし。中学生編のpureをやればもう少し話を深掘りできそうなんですが、このコアレビューは本編だけという縛りがあるので、少なくともレビューに反映させることはやりません。個人的にプレイはするかも。
●彩花がチラつく主人公
唯笑と遊園地デートです。またしても私はこんなことを言ってました。
本当に過去の記憶はあてにならない(2回目)。というか唯笑ルートが一番覚えてませんでした。初見プレイのような感覚。なぜメインルートなのに全然覚えてないのか。
遊園地で彩花がチラつく主人公ですが、当然唯笑にはバレているので、もうこんなことは終わりにしようと言われます。おまけに彩花が交通事故で亡くなった時、道路の反対側から呼んだのは唯笑だったと聞かされ、真っ白になる主人公。あからさまな嘘です。自己犠牲の嘘は切ない。
●彩花がなくなってから数ヶ月
子どもの頃の3人が写った写真を見て、主人公は過去のことを思い出します。彩花が亡くなってから数ヶ月間の話です。この間、毎日毎日唯笑は主人公の元を訪れていました。泣けるなぁ。中学生の頃の唯笑の髪、ちょっと短いんだよね。月日の流れを感じさせる。主人公は自暴自棄でこの頃のことをほとんど覚えておらず、今更ぼんやりと思い出している始末です。3人ずっと一緒だよ、という彩花のセリフと、彩ちゃんだけしかいないんだよね、という唯笑のセリフで、唯笑がどういう風に苦しんでいたが、主人公はようやく理解しています。3人一緒と言ったのに、唯笑だけは主人公の中にいないんだと思ってしまっていたと。小さい頃、どっちをお嫁さんにすると言われて答えられなかったようですが、なぜ中学になると彩花を選んだのか。謎。先に言ったもん勝ちなのか。
●信の懺悔
あれこれ行動したのは全部唯笑と主人公を付き合わせるためだと言っています。なんでそんなことしたのか。信は彩花が亡くなった場所に居合わせていたからですね。おまけに事故に遭った直後は、怯えて通報することも介抱することもできなかったということで、罪の意識に囚われています。その罪滅ぼしのための行動です。唯笑の嘘を確信した主人公は唯笑を探し回り、ちゃんと唯笑は俺の中にいると、キスして終了。キスして終わるパターン多いな。してないのかおるだけじゃないか。みなもはそんなことやってる場合ではなかったし。
●唯笑GOODルート
高感度が高い方のルートです。と言っても中身は大して変わらなかったような。とりあえずやります。
●夜の学校に忍び込む
七不思議を確認するために夜の学校に忍び込むイベント。ネズミを骸骨模型にくくりつけて顎を動かす作戦でしたが、失敗して逃亡します。これはめちゃくちゃ記憶に残ってた。
●屋上でサボる主人公
1時限にサボりを決め込み、屋上で寝る。起きたのは16時。どんだけ寝れるねんこの人。
●GOODとTRUEの違い
明確な違いは手紙を出したのがGOODは唯笑、TRUEは信なのと、GOODには信の懺悔がないことですね。あとGOODは唯笑の内面がやや付け足されている。それ以外はほぼ同じです。好感度が高い方がGOODルートなわけですが、物語の真実としては明らかにTRUEエンドの方に分があります。なんでED分けたんだろう。これオリジナル版から分かれてたんだっけ。正直TRUEエンドだけでいいと思いました。正史はどちらなんですかね。信の懺悔があるかないかで、その後の作品の解釈は大きく変わりそうですが、TRUE(真実)エンドというくらいなので、今後の作品も1stはTRUEエンドが正史でやっていきたいと思います。
●唯笑ルートまとめ
メモリーズオフのコアって、修羅場でもなければ、トラウマでもないんですよね。その心は「ヒロインの自己犠牲による切なさ」です。これは前にも言いましたが、唯笑ルートをやるとますますその思いは強くなりました。主人公のために自分を犠牲にし続ける。その切なさがメモリーズオフです。少なくとも自分にとってはそう。唯笑は彩花が死んでからずっと主人公を支え続けてます。3ヶ月くらい抜け殻の主人公に話をかけ続ける。立ち直ってからもずっと馬鹿な話をして、笑い合う関係を続ける。報われるなんてことはないと知っているにも関わらずです。唯笑が気持ちを押し殺して無理を続けることで関係が続いてたわけですが、流石にそれも限界だと言うのが、ルートに入ってからの話。ただ限界が来ても結局は主人公を守る方向に走るんですよね。せつねぇ〜。こういう状態が続くので、最後に報われた時のカタルシスも凄まじいですね。やっぱり唯笑にはメモリーズオフの全てが詰め込まれてるな。次の記事で1stの全般的なまとめをして、1stのコアレビューは終わりにします。
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