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【表現評論】メモリーズオフ ゆびきりの記憶 コアレビューその42 ちなつルート3【全作再プレイシリーズ】
●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。
⚫︎前回の記事
⚫︎俺の名を言ってみろ
何回言ってもなおくんなおくんと言い続けるちなつ。俺の名を言ってみろ。大輔様だよ大輔様。
⚫︎まだ謎は残ってる
突き飛ばされるようなトラウマのイメージを抱えている大輔君。転落したのは直樹だから、普通に考えるとこのイメージは変なわけですが。まだ解決されていない謎が残っている。ちなみにこの謎は全然覚えてません。ちなつがなおくんの復讐で大輔を吹っ飛ばしてから大輔が自分を直樹と勘違いしたんのか。ぁじで覚えてない。
⚫︎相手にされない大輔
過去の思い出では全く相手にされていない大輔君。ちなつはなおくんにべったりです。何このNTR感。現代に戻るといちゃついてるけどずっとなおくん呼びだし。トキ! トキ! どいつもこいつもトキ! なぜやつを認めてこの俺を認めねえんだ。アミバの気持ちがわかったわ。俺は大輔なんだよ大輔。なおくんじゃないんだ。やたらと北斗の拳を擦る男。すぐマイブームが変わるからね。
⚫︎俺の後ろに立つな
ちなつが後ろに立つだけで悪寒が走り動悸が起こる大輔君。絶対やってますやんこの人。なおくんの恨みか。
⚫︎愛が重い
もう他の女と話してるだけで不機嫌になるちなつさん。いやぁ。突き飛ばされるイメージとか、無駄に重い愛とか、この幸せそうでそうでもないがなんとも言えないメモリーズオフ感を醸し出している。突き落とすターンは近い。
⚫︎ヤンデレの本領発揮
風流庵で初めて嫁と呼んでくれたとか喜んでいるちなつですが、大輔の記憶では昔呼んだ事があったらしい。ということは、こいつは大輔のことを大輔と思ってないな。まーだ直樹だと思ってるよ。
「なおくん、霞ちゃんと仲良しだったもんね」
「…………」
ふりむくと、ちなつがいた。
「……やっぱり霞ちゃんの方がいいの?」
このなおくんはどっちを指してるんだ。本物の直樹か。本物の直樹は昔から霞LOVE勢だからな。多分大輔じゃなくて本物を指してる気がする。
「霞ちゃん、美人だしスタイルいいし……ちなつには勝ち目がないのです」
このセリフも直樹だと思ってないと出てこないんじゃないの。大輔は昔からちなつLOVE勢なんだし。あんな事件が起きてもま〜だ大輔を直樹と思い込んでるよ。やーばい。
⚫︎いつまでなおくん
学校の昼食時もなおくんなおくん。昔も大輔を差し置いてなおくんなおくんだったので大輔のトラウマが刺激されている。いいかげん大輔って呼べよと言った後に禁句が飛び出します。
「がんばるのです。だってちなつは」
「ちなつは、なおくんの嫁ですから」
ーープツンと、
心の奥で何かが切れる音が聞こえるような気がした。
「俺は大輔だ!」
「……っ!」
俺の怒声にちなつは大きく目を見開き、怯えたように一歩下がった。
「俺は直樹じゃない! 俺は大輔だ! 鷹見大輔ッ!」
いつまでなおくんなんだよ! ぁじで! とついにキレる男。だいちゃんって言った多分3回くらいしかないんじゃないの。というか、あの事件の後、ますますなおくんというワードを強調している気がする。誰か数を数えてくれ。ちなつはいつもなおくんの嫁。だいちゃんの嫁とは一回も言った事はない。嫁嫁うるさいのでついでに嫁も禁止だと言ったところでちなつは倒れます。やっぱり病んでるんだよなぁ。
⚫︎本家お前……やったな?
ちなつの回想で本家と思しき人間のセリフが出てきます。
「分かってるね。直樹君の許嫁なら、彼を許してはいけない」
「許嫁なら、仇を討たないといけない」
ちなつは昔からこんな言葉を刷り込まれていたようです。なぜそれを子どもにやらせようと思ったのか。アホなのかこの本家は。ちなつはこの言葉を鵜呑みにして何かを「実行」したようです。それから「あの人」がいなくなって、「新しいなおくん」になって戻ってきてくれたと。お前らほんま、登場人物全員悪人か。
側にいて欲しいのはあの人だけなのに。
ずっとなおくんでいてくれた優しいあの人だけなのに。
やはりちなつは大輔を大輔とは見ていません。僕の考えた最強のなおくん以外いらねえんだよと。でもさぁ。俺は大輔なんだよね。鷹見大輔。
⚫︎ちなつの生育歴
天川父に呼び出されて、ちなつの悲しき過去が語られます。ちなつは昔から本家の跡取りの嫁になるため、誰にかに従って生きるように本家に育てられたんだと。夫に寄り添い、従い、頼り、逆らわない、依存体質の嫁になるべく育てられたんだと。最初はお淑やかないい子に育ったな〜と呑気に考えてたけど、そんなに単純なものではなかったと。なぜそこまで分かっていて親バカになってしまうのか。天川父の情報でずっ友4人組は親戚同士だったとわかります。霞と大輔は従兄弟だったのか。真ヒロインが血縁者なのは珍しい。サブヒロインでも美海だけだし。りりすと志雄はそのうち兄弟になるけど。従兄弟だったら一緒に暮らしてもおかしくはないな。天川父の許可も納得がいく。ちなつもそんなふうに育てられたのはいいけど、当の直樹君は霞ちゃんにお熱だったというね。報われなさがすごい。
⚫︎天川父の自分語り
ちなつは本家によって理想の嫁として改造されてしまったわけですが、天川父はガタガタ言ってる本家のアホどもも直樹君が大人になる頃にはいなくなって風通しが良くなるだろうと楽観視していたとか。大人になる頃にはちなつも自立できるだろうと。でも直樹が死んでしまったのが完全に誤算だったようです。
直樹が死んで大輔がずっとちなつの側にいて心を許し始めていたので、依存体質が収まる機会が早く来たと思ったものの、直樹が死んだ原因が大輔にあると分かった瞬間豹変して、状況が悪化したと。
「そんなちなつを安定させてくれたのも君だった。正しくは、直樹君になった君だな」
「俺が、ですか?」
「ああ、あの子は二つの物を手に入れたんだよ」
そういって、おじさんは両手のひらを上に向け、何かをつかみ取るようにゆっくりと指を閉じていく。
「直樹君のために復讐する相手と、依存する対象としての『なおくん』という存在をね」
本物の直樹君に服従するように育てられたので、まず仇討ちだと。で、仇討ちと同時に傷ついた自分を慰める「なおくん」も必要だと。かつてここまで自分勝手なヒロインがいただろうか。でもなぁ。洗脳されたキッズに責任を求めるのは酷ですわ。全部本家のせいだし。ほんまに本家。
大輔を一人暮らしさせたのも、ちなつに直樹君のことを忘れさせて、ちなつと大輔を守るためだったらしい。やっぱりなぁ。俺は親父を信じてたよ。ただの親バカじゃないって。今のところ結果的に状況が悪化してるので有能なのかは微妙だが。
最後は全部俺がなんとかしますと大輔が言ってのけました。このヒロインは手強い。過去イチで手強い。
⚫︎勇気の石
直樹は一個目を取りに行ってタイムカプセルに埋め、二個目を取りに行ったところで転落死したようです。なぜ最初から二つ取ってこなかったのか。大輔は勇気の意志がある洞窟へ向かって勇気の石を回収しました。なぜかはよくわからない。洞窟は公園の大木のそばにあるとか。
⚫︎ちなつの心境
10年ずっと傷つけてきたんだから、彼は私を許してくれていないと思っているようです。ちなつは内心ですら絶対にだいちゃんと言わない。いつも彼とかあの人。でもさ〜、大好きだから離れたくないんだよね〜。絶対受け入れてくれるはずと開き直っています。
「大丈夫なのですよ」
確信があった。
あの人はなおくんでもあるのだから。
そしてちなつは、
な お く ん の 嫁 だ も の。
自作自演で大輔をなおくんにしといて、なおくんの嫁だものじゃないんだよなぁ。ホラーかな。本家もえらいもん育ててくれたな。こんなモンスター嫁を育てておいて放置するな。責任を取れ責任を。責任から逃げるな。無能な大人の犠牲者やぞこんなもん。しかしこういう奴ら責任から逃れるのだけは得意だからな。
それにしても意外と個別ルートに入ってからの方が覚えてませんでしたね。もっと短いもんだと思ってた。