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【表現評論】メモリーズオフ ゆびきりの記憶  コアレビューその32 ちなつ・霞共通ルート3【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎回想シーン

ちなつ・霞共通ルートに正式に入ったところで、過去にいつメン5人と遊んでいたシーンが出てきます。

戻れないあの頃

このCG自体は最初の方に出てくる。直樹大輔ちなつ享+謎の人で5人。これ直樹君の回想かと思ったけど、違うっぽいな。多分ちなつ視点の回想。

ああそうだ。これは失われた想い出。
聞こえるはずのない子どもたちの言葉に耳を傾ける。
あの男の声だけが、妙に耳についた。
自然と、今のあの男の声までが聞こえてくる。
自然と、右手の小指がすっと伸びる。
ーー慌てて頭を振った。
「そばにいれば情もわく。でも許してはいけない。彼が直樹である限り」

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

セリフは???になってて誰のセリフか分かりませんが、文脈的にあの男というのは直樹を指していることがわかる。いよいよ核心に迫ってきた。

⚫︎ちなつの弁当

食って幸せだなぁと呑気そうな直樹君。突き落とすターンはいつか必ず来る。

⚫︎天川父

風流庵にやってくる天川父。家ではなぁ、ちなつが口を聞いてくれないんだと言い出します。直樹を追い出した後は一切口を聞かないとか。昔は父親がリビングにいる間は自室に戻らないほどお父さんっ子だったらしいけど、まあ甘やかすだけ甘やかした結果ですわ。ある意味舐められているとも言える。自業自得でございます。

なぜか父とちなつが直樹のアパートをチェックしに行く流れになり、青ざめる直樹君。家には霞がいるので偽装工作依頼のメールを出します。

「そして、私はなおくんのお部屋に来た第1号の女の子なのですね。感激です」

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

すまん。君は2号なんだ。もう永遠に1号にはなれないんだ。悲しい。というか、ちなつをアパートに近づけちゃダメなんじゃないの。本家の雷が落ちるぞ。と思ってたら、特別な用事がない限り絶対近づくなよ。いいか絶対だぞ、などと言い出します。今まで通り場所を教えなければいいだけなのではと思ったけど、直樹君が一人で生活できる様子を見せたい意図があったらしい。そんなもん見せても納得しないことは想像できる。

家に帰ると霞の痕跡は消えていましたが、なぜか霞はクローゼットの中にいるという謎事態に直面します。幸い天川父の勘違いでクローゼットの中身は見られずに済みました。一件落着。

⚫︎厄介客

風流庵に来てちなつに接客させろとゴネる天川父。あれからさらにちなつが口を聞いてくれなくなったんだよ、うえ〜ん的な。なにこの厄介客。こんだけ無能アピール激しいんだから実は有能なんだろうな〜。ジイヤみたいな有能風無能とはきっと違うはず。信じてるぞ。親父。

⚫︎ナンパされる霞

風流庵から買い出しに向かった際に、ナンパされる霞と遭遇。ここでCGが入ってますが、ヤンキーの作画良すぎじゃない? リサよりも作画良いだろ。というかちなつ・霞共通ルートに入ってから全部作画良いんだよな。パワーの掛け方が違う。バストアップしかない、ということもないし。

そのあとヤンキーが霞に触ろうとすると、霞は触るなと言ってヤンキーに暴行を加えます。

「この体は、貴方たちが気安く触っていいものじゃないわ」

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

雅師匠ですら言わねえよこんなセリフ。いや、言うかな。やっぱ言いそう。それから逃げ出す際に直樹君も普通にヤンキーを殴り飛ばしてるわけですが、殴るのはまだ良いとしても(良くないけど)、店の制服のまま殴るのはヤバすぎるでしょ。店に鬼クレーム来てワンチャン首まである。

そして逃げおおせた後のセリフが印象的です。

「お前、いきなり手を出すのは不味いだろ」
「……」
ちょっとのあいだだうつむいていた霞は、やがて顔を上げて俺を見た。
「この体を、気安く触らせる訳にはいかないから」

「誰かいるんだな、お前がそれを許す相手が。……男が」
誰なんだろう、そいつは。
聞く事は、霞の事情に踏み込むことになる。だが。
「……誰なんだよ、そいつ」
「きっともう会えない人。会ってはいけない人」

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

いいですねえ。この感じ。どの感じと言われても説明はできない。だから感じなんですよ。唯笑やいのりと同じく、メモリーズオフの真ヒロインのオーラが滲み出てきている。直樹君も霞のことがだいぶ気になってきているらしい。誰なんだよそいつじゃないんだよ。そんなこと言ってる人間が一緒に暮らしてるのは誰なんだよって話。

⚫︎霞の料理

ヤンキー救出のお礼に夕食を作る霞。店に出せるレベルで美味いとか。メインヒロインどっちもメシウマ嫁だった。もう飯マズ嫁は流行らないな。これからは飯ウマ全肯定Bot嫁の時代だよ。霞は全肯定要素がない。むしろ全否定bot。

⚫︎ちなつとデート

にきたはいいけど、携帯を落として探すだけで終了。ウインドウショッピングをウインドウを買うことだと勘違いしていた謎の過去話だけが収穫です。相変わらずいつでもどこでも寝る女。誰とでも寝る女ではない。

⚫︎子どもと触れ合う霞

公園でこどもと触れ合っているところを目撃する直樹君。子どもに対しては打って変わったような優しい人物になっています。師匠だったら子ども相手でも黙りなさいとか言いそうだからね。霞はそっけない人物として描かれていますが、過去の豪傑よりはマイルドです。

⚫︎霞の探し物

何かはわからないけど、相変わらず何かを探し続ける霞。悲壮感漂う霞に対してそんなに俺は頼りないのかよ! 俺を頼れよ! もっと熱くなれよ! という感じで、俺も手伝うと言い出します。おまけに合鍵も渡す。

「手伝えば、後悔することになる。絶対に」
「絶対にってどういう意味だよ」
「……言葉通りの意味」

「忠告はしたわ。後になって恨まないでよね」

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

霞は全てを知ってるので、手伝えば絶対に後悔することは分かりきってるわけですが、なにも知らない直樹君は後悔すると言われてもピンときません。後悔先立たずとはよく言ったものです。何事もやった後にしか後悔できない。先悔なんて言葉は原理的に存在しません。いやぁ。でもさ。今人生を振り返って思うのは、後悔できるって幸せなことですよ。涙の数だけ強くなれるんだよ。直樹君も全てを知って後悔してからがスタートなんだよ。


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