【表現評論】メモリーズオフ イノサンフィーユ コアレビューその1 ライトサイド1【全作再プレイシリーズ】
⚫︎前回の記事
⚫︎イノサンフィーユの印象
ゆびきりからなんと7年も経過してから発売されたシリーズ最終作(最終作とは言ってない)です。毎回各タイトルの印象から入るんですが、今回はパート0でほとんど語り尽くしています。
イノサンフィーユは(家庭用恋愛ADVとしては)最高傑作と言っても良いですが、(メモリーズオフとしては)最高傑作と呼びたくない。それが僕の”今のところ”の評価です。コアレビューは再プレイなのでね。評価が変わる可能性はいくらでもあるので、今のところです。ミステリー色の強くなったゆびきりをさらに煮詰めたような作品で、張り巡らされた伏線とか謎解きが好きな人には神作品であることは間違いない。最終作(最終作とは言ってない)ということで、過去のヒロインが総出演してきます。総出演ではないな。一部出演。俺は霞が見たかったの!
主人公は楠瀬累(CV坂泰斗)君です。今回はガチでフルボイス。ルイじゃなくてかさね。呼びにくいから大体ルイと呼ばれている。頭がキレる冷静なイケメンで、令和最新に対応してそうなキャラクター。剣道三段で文武両道。大輔と違って上級国民ではない。いいんだよ。顔が良くて声が良ければ何でも。多分累君は女を顔で落とすタイプです。こいつも顔か。やっぱり信じられるのは一蹴君と大輔だけですわ。
攻略キャラはいつものように5人。人格が違うことをひとりに換算するなら5人。個人的にあまり人格の違いで別キャラにしたくはないんだけど。ボリュームは過去最長なんですかね。ゆびきりとどっちが長いんだろう。7年待たせだけのことはある重厚長大な作品です。今回の物語はライトサイドとヘビィサイドがあります。ライトサイドは比較的ライト(メモリーズオフの基準では)な作風で、ヘビィサイドはガチに重い物語です。
⚫︎タイトルBGM
恒例のタイトルBGMですが、実はここから若干違和感があったんですよね。なんかメモリーズオフっぽくないなと。infinityシリーズとか科学ADVっぽいくない? みたいな。12rivenとかで流れてそうな感じの曲。メモリーズオフといえば切なくも温かみのあるBGMな訳ですが、イノサンフィーユはイントロのピアノがピロピロいってる辺りでかなり不穏な感じが漂ってる。正直、イノサンフィーユは全然BGMを覚えてません。さらに言えば、僕は科学ADVシリーズも全然BGMを覚えてません。星天はめっちゃ覚えてる。よくよく考えるとレジリエンスもメモリーズオフっぽい感じがあまりしないので、これは今までのメモリーズオフとは違いますよ、という伏線は最初から散りばめられていたのかもしれない。
⚫︎レジリエンス
OP曲のタイトルにもなっている概念。メンタルの復元力を指す言葉です。フルボイス主人公のレジリエンスの説明が始まる。この頃流行ってたんですかね。確か共通テストの国語にもレジリエンスが題材の問題がありました。とりあえず過去に何かがあって、周りを遠ざける(遠ざけられる)ようになったことも語られます。メモリーズオフの主人公に悲しき過去。今回の主人公は過去最高レベルの悲しき過去の持ち主です。
⚫︎湘南海陵高校
今回も初出の高校が舞台です。累君は「特待生特別国内交換留学制度」で札幌海陵高校から短期(三ヶ月)転入でやってきた転校生。転校の挨拶を全校生徒の前で行うところから物語が始まります。イノサンフィーユは道産子が主人公なんだな。神奈川以外の主人公初めてじゃないの。メモオフの舞台が神奈川と明言されているわけではないけど。
⚫︎三城莉一(CV鈴木裕斗)
最初に登場する人。主人公の幼馴染兼親友。かつて北海道で幼い日々を過ごした相手。え〜。こいつ、実は主人公への嫉妬で狂ってしまった男枠です。そんな枠イノサンフィーユしかないんだけど。まあライトサイドでは普通の男。カオスシリーズの友人枠と考えれば理解できる。
⚫︎相葉詞乃(CV平流エレン)
海陵の生徒会長。攻略ヒロインではない。実はほとんど何も覚えてません。今のところかわいいだけ。かわいいだけでいいんだよ。それ以外に何が必要なのか。
⚫︎三城柚莉(CV武石あゆ実)
メモリーズオフ伝統の幼馴染ヒロイン。莉一の妹です。双子なので同学年ですが。元気で素直で可愛くていい子というメモリーズオフにはあるまじき幼馴染です。だからメインヒロインじゃなかったんだなぁ。悲しい。実は多重人格者で、昔死んだ家族の人格を持っています。イノサンフィーユは柚莉が多重人格者であることが物語の鍵になっている。
ちなみに最初に出てくるこの柚莉は柚莉じゃなくて、莉一が女装している姿です。双子なので姿形はほぼ一緒らしい。下着もバッチリ妹のを履いてきているほど熱が入ってる。サイコな上に変態かよ。いいキャラしてるじゃない。声はどうやって変えてるんですかね。
全く同じですやん。
⚫︎戻れないあの頃
過去の回想。北海道でみんなと過ごした日々です。本当の兄妹のように仲が良かったと。ここで過去に火事と共に何か悲惨な事態が起きたことだけが示唆されています。
⚫︎茶菓月依美里(CV伊藤静)
保健室の魔女と呼ばれるエロ担当の養護教諭。この人相当あたおかなんだよな。エロ方面におかしいわけではない。倫理観がぶっ飛んでる枠。山岸いずみと同レベルくらいにはおかしい。まあ突き詰めればエロ方面にぶっ飛んでるんだけど。