【表現評論】メモリーズオフ ゆびきりの記憶 コアレビューその23 詩名ルート7【全作再プレイシリーズ】
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⚫︎詩名視点
今度は詩名の視点に切り替わる。音楽少女の部屋。
めっちゃ優梨子の部屋っぽい。部屋が綺麗という点を除いて。直樹君から昨日のことは勘違いなんだ、諦める必要はないんだというメールが来てウッキウキの気分ですが、相手は鈍感キングなんで、そんなに都合の良い話はないはず。徹底的に落としていきますね。このルート。
ここで答え合わせがくる。直接言えないのはやはりちなつを気にしているからです。ヒロイン視点を作るならこういう答え合わせ要素とか、そこでしか知り得ない情報が欲しい。そして主人公への好意はヒロイン視点で先に開示しないでほしい。せっかく一人称視点のノベルゲーとして作ってるんでね。そこは隠しといてほしい。
まあ直樹君から気付いても、詩名から言ったとしても、結果的には変わらないんだけど、結果が変わらないから過程はなんでもいいわけではない。どこかでも言ったと思いますが、確かほたるが嘘ついてたシーンで言ったかな、主人公とヒロインは結果だけじゃなくて正しい過程を選ばなくてはならない。なぜか。過程を選ばない人間を応援したくはならないから。物語の主人公は、可能な限り正しい過程を経て結果を掴み取る責務がある。ハナから悪として設定されてるなら別ですけど。ルルーシュとか。
⚫︎CGの質
かなり不安定な気がする。リサも詩名さんも毎回顔違くない? 相変わらずバストアップが多く感じる。ばっかりで悪いというほどでもありませんが、あまり印象には残りません。昔は高解像度になっただけで凄く感じたんですが、今見るとやや印象が変わる。でもちなつと霞のCGは(今のところ)かなり安定してるように見えますね。キャラ毎に全然違う説。CGのクオリティはそれから(追加CG除く)がトップレベルかなぁ。1stと2ndもなかなか。
⚫︎レジェンド級の大バカ
詩名との待ち合わせの場所に亨を連れてくるという、レジェンド級の大バカ行為を実行する直樹君。もはやホームラン級のバカではない。生ける伝説。リビングレジェンド。この鈍感さは、もはや犯罪だろ。常識的に考えて。ウッキウキで現場に来た詩名さんの気持ち考えてくださいよ。天国から地獄ですよ。こんなもん。何ひとつ伝わってなかったという徒労感。お前、変わらんかったな、と言いたくなる気持ちが理解できるゲーム。ここまでとんでもないすれ違いを書けるライターは凄いのかもしれない。やっぱり詩名ルートは神です。神ルート。あとは頼みますと言って立ち去る直樹君。亨さんも呆れとったわ。
最後に佐賀さんと付き合うことになりましたとメールが来ます。ま〜〜〜〜た亨がピエロ役だよ。亨は何回付き合う詐欺に加担させられなければならないのか。前世でどんな業を背負ったのか。でもこんな感じで具体的に関与するのが亨の持ち味なんですよね。やっぱり亨はシリーズに出続けなくて良かったのかもしれない。おっさんになり、信のようないっちょかみアドバイザーになった亨など見たくはない。
⚫︎失って初めて気付く
部室にいると走馬灯のように過去の姿が浮かんできて、あ、そうか、俺は詩名が好きなんだと自覚します。絶対に気づかない男がようやく気付く。人間は失ってから初めて大切なことに気付く。おせーーーーーよ! 小学生の初恋か! でも今更どうしようもないからこれで良かったんだと結論づけます。人間は恋愛が絡むと致命的なミスを犯しがちです。なんででしょうね。人間そもそもミスをしやすい動物ですが、恋愛絡みは取り返せないミスが多すぎるんじゃないしょうか。恋愛が絡んだ時の人間の感情は変化が大きすぎますからね。変化が大きすぎるがゆえに、変化してしまった後に挽回が効かないと。
⚫︎直樹君を煽りまくる亨先生
風流庵で亨とリサと会った時のセリフ。
どしたー? なんか知らんけど浮かない顔だなぁ? めっちゃ煽りますね。レジェンド級の男が相手なので、このくらい煽っていかないと話にならないのかもしれない。
今回の付き合ってる詐欺がどういう形態なのかは全然覚えてません。少なくともりりすみたいに詩名から付き合う詐欺を提案したわけではないでしょう。かと言って亨から提案したわけでもなさそう。詩名がよくわからんまま告白して、形式上は付き合うことになってるのかもしれない。亨は事情を見抜いて、片ヤオを担いでるのか。そうだとしたらどんだけ聖人なんだよ。セルフ付き合う詐欺。