”オジサン”と”オジサン臭い”の違いとは。
オジサンっぽくて、いいね!
親友(50代男性)から、今日の服のコーディネートを「どう思う」と聞かれたときの、私の答えです。もちろん、褒め言葉のつもりでした。
しかし、彼はションボリ・・・。
先日、美容師さんと「白髪が混ざっていると渋かったり、老眼がはじまって眼鏡をずらして細かい文字を読んでいたりする姿って、カッコつけてなくてカッコよかったりするよねー、色気あるよね」と、オジサンの魅力について話したばっかりだったので、悪気なく「オジサンっぽくて、いいね!」と言ったのでした。
とはいえ、ちょっと言葉足らずだったので、
①単なるアメカジ(彼はアメカジ好き)ではなく、②大人ならではの質の良さを感じるコーディネートで、③ 年相応に無理せずオシャレを楽しんでいる感じが伝わってきて、④スタイルを感じる、と具体的に説明して、
芸能人で言えば「所ジョージとか、そういう感じかな」と抽象化して分かりやすく褒めてあげたら、嬉しそうでした。
ふー。
要するに「オシャレだよ、オジサン臭くないよ」ってことです。
この「臭い」という言葉は、ロングセラーブランドを取材するとよく出てきます。
ブランドイメージが「古臭い」印象になってしまったので、リブランディングしようと思った、といった内容です。
長く続いてきた歴史をイメージする「古さ」はいいけど、「古臭い」とは思われたくない。
とてもよく分かりますが、難しい問題です。
そもそも「臭い」ってなに?
ファッションに置き換えて考えてみました。
オジサン(オバサン)とオジサン臭い(オバサン臭い)の違いは「ギャップによる違和感」と「日々進化してるかどうか」じゃないかと思ってます。
たまにいませんか? 娘さんとプチプラの服を共有してる主婦の方。楽しそうだし嬉しそうだから、いいんですけどね。
しかし、若い人のコーディネートを「完コピ」しても、余計にオバサン臭くなってしまう可能性が高い。
だって、顔の印象は変化してるからです。違和感ないはずありません。顔の印象とファッションの間にギャップがあるから。
トレンドを取り入れるなら思い切って質の高いものにするとか、プチプラの服はブランドの服と組み合わせてさりげなく楽しむとか、大人だからできるアレンジ(進化)が「臭さ」を消してくれるはず。
ロングセラーブランドも古臭い印象にならないように、広告は常に20代向けに作ったり、トレンドを取りいれたサブブランドを立ち上げたりしています。
かつて日経デザインで、ロングセラーブランドの秘密を探る「つづくをつくる」というナガオカケンメイさんの連載を担当していました。そのとき取材した各社も、長く売れ続けるために、さまざまな工夫をされていました。
先日、取材したコーセーの「雪肌精」のリブランディングも、ブランドの若返りを図ることが目的でした。
古臭くなりたくないのは、ブランドも人も一緒ですね。そうならないための工夫や施策、これからも注目していきたいと思っています。