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【8】認知症の予防(韓流にハマった人の話 その①)

ネタが続いていたのでたまには真面目な話

私は週に4日「もの忘れ外来」をしていますが、だいたいケースでは、子供さんが「自分の親が認知症になったのではないか」と心配して予約されることが多いです。

今も外来に通院してくれている70代後半の女性、三世代で同居されており、初診時には娘さんとお孫さんで受診されました。

数年前からコロナ禍もあり外出が減り、元気がなくなった。もの忘れも悪化している。認知症ではないか?と家族が心配されました。

精査の結果、認知機能検査と画像検査では年齢相応の結果で、認知症とは診断しませんでした。

ただ、活動性低下があり、集中持続が苦手になっており、軽度認知障害(非健忘型MCI)と見立てました。今後認知症に進展するリスクがあり、「認知症の予防」=「認知症への備え」の重要性を説明しました。

また「認知症」と認知症の予備軍とよばれる「軽度認知障害(MCI)」の違いなどまた説明しますが、まずは【認知症の予防の考え方】

かかりつけ医認知症対応力向上研修スライドから

予防の考え方では、産業保健の現場でよく使いますが(コレもまた別の機会に話ますね)、一次予防=未然に防ぐ、というプロセスですね。

認知症への備え、という講演を地域で行なっていますが、いかに早く気づいて早く対応するか、が重要なんですよね。

この方の場合も、長年楽しんでいたコーラスの活動がコロナ禍で中断してしまったことも影響していました。

認知症の備えには、①食事、②運動、③社会的交流、が重要ですよ、と説明しました。

また介護保険の申請について地域包括支援センターに相談(こちらで主治医意見書を記載する)

ご家族にもそれぞれの立場で何かできることから始めてみては?とアドバイスしました。

娘さんは仕事と家事で忙しい様子ですが、高校生の孫は趣味のダンスやK-POPアイドル(男性グループ)をおばあちゃんにすすめてみます、とのことで2ヶ月後の再診としました。

続く

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