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「具体と抽象」を制する者は、仕事を制す〜『「具体⇄抽象」トレーニング』を読んで〜

「言われたことをやるだけの人間は、ロボットやAIに置き換えられる。これからは、具体的な指示を抽象化して応用を利かせることで、『言われていないけど、求められている』ことも実行できる人間が求められている」と聞いたことはありますよね?
そのためには、「具体と抽象」について理解する必要があります。

具体と抽象

ここでいう「抽象」とは、少ない言葉や図形で物事を定義づけること(=シンプルに考える)です。

「具体⇄抽象」を制する者は、仕事を制す。その意味を、仕事の依頼人と被依頼人の関係性から読み解けます。社内イベントの開催を例に考えてみましょう。

ビジネスでの「具体⇔抽象」変換

ここでの抽象的な指示として、「楽しい社内イベントを開催して」などが挙げられます。逆に、具体的な指示として、「何月何日何時に居酒屋〇〇で、参加メンバーは〜で、、、」が挙げられます。抽象的な指示が好きな人もいれば、具体的な指示が好きな人もいます。指示の抽象度と期待する指示の抽象度を、下表にまとめました。

①と④は、OKです。①では、被依頼者は依頼者のことを「丁寧でわかりやすい」と思います。新入社員やその道に明るくない人は、具体的な指示を望むでしょう。④では、被依頼者は依頼者のことを「任せるのがうまい」と感じるはずです。ある程度知識や経験を積むと、自由にやらせてほしいと思ってしまいます。
問題は、②と③です。②では、被依頼者は依頼者のことを「丸投げされた」と思います。具体的な指示を期待しているのに、「適当にやっといて」と抽象的な指示をされたら、パニックになります。④では、被依頼者は依頼者のことを「細かく指示しやがって」と思います。自由にやりたいと思っているのに、四六時中指示されたらイライラするでしょう。

大事なのは、仕事の依頼内容や相手の求めるものが具体的なのか抽象的なのかを考えて、コミュニケーションギャップを解消していくことです。

顧客からの依頼も同じです。顧客のざっくりとした依頼に、幅広い具体的な知識をもってベストな提案をする。逆に、不自然に具体的な依頼をされたときは、一度抽象度の高いことに変換した上で、より良い提案をし直す。これができると、プロの仕事人として信頼されます。

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