新一万円札、嫌ならもらってあげますよ!
渋沢栄一の顔が使用された新一万円札のデザインが発表になりました。
偽造防止のあれこれの部材が目立つのも今風。
さらに目立つのは「10000」とど真ん中に算用数字がシンプルなフォントで描かれていること。この理由も今風。
これまでは、難しい漢字の「壱万円」がメインで使われてました。
このデザインにいろんな意見が出ています。つまり、デザイン、という観点で見ていくと、なかなか興味深いことがたくさんあるのです。
下のリンク:朝日新聞のツイッター、新札発表のニュース
デザイン面で多数の意見が飛び交う!
山崎雅弘氏のツイッターが今回の記事の発端です。
かなりストレートに意見を表明されてます。間違いなく「荒れる系」の話題ですが、しっかりと意見を出されてます。
案の定、賛否両論が巻き起こり。
下のリンク:山崎氏のツイッター。紙幣のデザインが安っぽくなってる、国力の衰退を感じる、という内容
そこに「ユニバーサルデザイン的配慮」を指摘する声
このツイッターの意見に対し、様々な意見が出る中で多かったのは、新デザインは「ユニバーサルデザイン」を実現している、というもの。
造幣局の公式見解としても出されています。
下のリンク:造幣局の出した新紙幣の考え方が書かれたPDF
山崎氏もユニバーサルデザインには反対してない
最初に紹介したツイートも、このユニバーサルデザインに反対してるわけではありません。
ユニバーサルデザインを実現しながらも美しいデザインは目指せるし、目指すべき
という意見。
2つの「正論」
全くもってこの意見は正論です。デザイナーにとって、最大の課題であり、最大の見せ場かも。
誰にでも使いやすく、かつ使いやすいデザインは高い評価を得ることでしょう。それを実現したならカッコいい。
これは、自分がこれから進む道にも当てはまりますので、肝に銘じて頑張ります。
もう一つの「一見正論」が出ない「正論」
ツイッターではこの方の意見に対し、ものすごい数のリプライが続いてますが、
「じゃあお前がやれ」
という、議論を止めるしか無い「一見正論」がほぼ無いこと。健全に意見交換が展開されているのは素晴らしいです。
真剣に考えて意見を皆さん書いてます。
ちなみに「一見正論」というのは、政治やサッカーや何につけ、自分はこう思う、という意見に対し、「じゃあお前がやってみろ」という意見がよくあること。
文脈だけなら一見正論ですが、そうなると、政治家じゃない自分は政治に対する意見を言えなくなり、サッカー選手でもないのでサッカーの感想も述べにくくなります。
意見を言う権利は誰にでもある。それが世間的に暴論なら反論が出るでしょう。賛同者が多ければ、いいねの数が増える。
「あなたの意見に賛同はできないが、あなたが意見を言うことは認めますor尊重します」と言うのが多分、正論。
なので、自分の意見を述べてみます。言うのを認めてください。
自分の考え
もちろん、デザイン要素も含んだ仕事をしていたので、最初の正論は自分の中にあります。
それを踏まえて今回のデザインを見ると、
・要素は過不足ない
・実現したい事も理解した
・それがまとまったポリシーでまとめられているようには見えない
というのが正直なところ。
これ、何かに似てるなー、と思ったら、オリンピックの開会式、閉会式で思った内容。
そうなると、一見すごく離れた意見がいっしょにツイートされてるなー、と思った今回のツイート内容と同じ。国力の衰退、はこういうところにも出るのかな〜、と感じた次第。
実はもっとローカルなところでこの考えは浮かんだことがあります。
推しのチームのエンブレムデザインが変更になった時の感想。
・ごちゃごちゃしてるなー
・なに?ここは県のモチーフ?ここは◯◯に配慮?ここは××のイメージ?
つまり、忖度しまくって、統一イメージが伝わらなくなってしまった印象。
配慮、をしつつ、でも確固たる信念で理解を得る。これをしなくて済むのは、忖度です。
やはり国力の低下はあの時から始まっていたのか…
しかし!最後の正論が残っている!
この新しい一万円札、気に入らない方は引き取りますのでご連絡ください。