お西のお坊さんが推す!「夏の京都」
夏の暑さもピークを過ぎ、暦の上では秋…と思いきや、まだまだ残暑が厳しい京都。表示された温度よりもはるかに暑く感じるのは、盆地ならでは。だからこそ、この暑さを乗り切る「涼」を感じるスポットもたくさんあります。
今回は京都のまちで暮らすお坊さんたちに、京都の夏ならではのおすすめを聞いてみました。来年の夏はあえて、京都の暑〜い夏を味わいにきてはいかがでしょうか。
鴨川
四季を通して京都府民から愛されている鴨川ですが、夏は特に鴨川沿いでゆっくりしたり、川で水遊びをして涼んだりしたくなります。個人的に木陰から川の音を聞きながら望む京都の山、夏の青い空、白い雲を見るのが好きだからです。
また、鴨川周辺を散歩しながら、行ったことのないお店を見つけたりするのも楽しみです。
ちょっと田舎でちょっと都会の京都がいいと思います。
(50代女性僧侶・Kさん)
保津川下り
高校生の頃に遠足で行った「保津川下り」。亀岡と嵐山までの保津川の峡谷約16㎞を船で下ります。川の流れが早く激流でスリル満点でしたが、そのなかで綺麗に咲いた花を見つけ、自然美を感じました。暑い夏だからこそ水の涼しさを感じることができるのでおすすめです。
保津川下りの乗降場がある嵐山周辺には多くの寺院もあり、京都の歴史を感じることができます。また、比叡山、北山、東山を一望しながら野生の二ホンザルを見ることができる「嵐山モンキーパーク」や保津川の絶景や四季折々の風景を楽しむことができる嵯峨野トロッコ列車など観光施設も盛りだくさんです。(20代女性僧侶・Nさん)
鴨川に面するヴィーガンカフェ
だんだん日差しがきつくなって夏を感じると、七条駅近くにあるヴィーガンカフェ「Veg Out(ベグアウト)」に行きたくなります。鴨川に面している席に座って、川を見ながらからだに良い食事をとると気分がリフレッシュします。コーヒーやチャイを飲みながら、カフェタイムを楽しむこともできますよ。天気がいいときはテイクアウトして、鴨川を眺めながらぼんやりするのもお薦めです。ゴミは必ず持ち帰って下さいね。
(50代女性僧侶・Mさん)
お茶を使ったフランス料理「メゾン・ド・マツダ福寿園」
私のおすすめは、福寿園の宇治茶とフランス料理が融合した「メゾン・ド・マツダ福寿園」です。
どの料理にもお茶や抹茶が使われており、「この料理にもお茶が合うんだ!」とびっくりします。お茶の伝統が現代に伝えられつつ、新たな可能性も感じることができます。
また、個人的に食前酒ならぬ食前茶がとても美味しかったです!一日かけて冷水で淹れたお茶だそうです。
(50代男性僧侶・Dさん)
川の音を聞きながら食事を楽しむ「貴船の川床」
7月に烏丸通あたりを歩いていると、「祇園囃子(ぎおんぞうし)」と呼ばれる音楽が聞こえてきます。これは祇園祭で鉾の上で演奏される音楽です。京都ならでは、の夏の感じ方ですね。
私の夏のおすすめは、貴船の川床(かわどこ)です。実は昨年初めて訪れたんですが、川の音を聞きながらの食事は、涼やかでとても優雅な時間を過ごすことができました。私は鮎の定食をいただきましたが、川の上で川魚を食べるのは特に夏を感じられるのでおすすめです。
他にも流しそうめんや、京都ならではの抹茶デザートを楽しめるお店もありました。ぜひ、夏の貴船に足を運んでみてください。
(20代女性僧侶・Iさん)
穏やかな流れの川で水遊び「笠置キャンプ場」
夏はどこに行っても暑いので、川遊びやカヤックが楽しめる笠置キャンプ場を訪れます。相楽郡笠置町という場所にあります。すぐそばに穏やかな流れの木津川が流れていて、近くに温泉もあり、充実したキャンプが楽しめます。
少し前にキャンプブームがありましたが、お坊さんの中でもキャンプ好きな人は意外と大勢いるんですよ。中には、本格的なキャンプをする人も…。
また、おすすめの食べ物と言ったら蕎麦ですね。京都は蕎麦の歴史も古く、老舗蕎麦屋『本家尾張屋・河道屋』など名店がたくさんあります。にしんそばが有名ですが、夏のお勧めは『花もも』のすだちそば。薄く切られたすだちが、器の中に花が咲いているかのようで見た目も美しいです。
ざるそばなら『蕎麦處 笹屋』がおすすめ。月替わりのそばや、十割・二八・韃靼(だったん)・田舎など蕎麦の種類が充実しており、そば好きの方にはぜひ訪れてほしいお店です。お造りや蕎麦掻(そばがき)、関東煮など一品料理も充実しているので、お酒を飲みながらでも、満足な時間が過ごせます。
(40代男性僧侶・Kさん)
京丹後にもぜひ
京丹後には青く澄んだ海や、立岩(たていわ)や屛風岩(びょうぶいわ)などの日本屈指の巨大な自然岩といった美しい自然が溢れています。
最近では京都丹後鉄道のレストラン列車「くろまつ号」・カフェ列車「あかまつ号」・観光列車「あおまつ号」などが人気のようです。
列車に乗り、車窓から海や山など美しい風景を眺めながら、地元の食材をふんだんに使った料理を食べることができるようで、私も気になっています。
そして、夏になると食べたくなるのが、京丹後の活イカです。一度食べると、噛むほどに増す甘み、コリコリとした食感が忘れられません。新鮮なイカが食べられるのは、海辺のまち京丹後ならでは。
京都市内なら、旬の鱧料理がおすすめです。京風お出汁でいただく鱧しゃぶは、格別ですよ。
(40代女性僧侶・Yさん)
あまくて冷たい「京スイーツ」
これぞ「京都の夏!」といえば、やはり川床です。暑さが落ち着いてきた夕方頃に、川床でみんなでワイワイとビアガーデンを楽しんだり、川を眺めながらゆっくり食事をしたり…。川の上で食事をする非日常感も楽しく、気分も涼やかになります。
特に河原町駅近くのモダンアメリカン料理が味わえるカフェレストラン「Kacto(カクト)」がオススメです。初夏から秋にかけては季節限定の「納涼床」で食事を楽しむこともできます。オールデイダイニングなので、朝食、夕食、カフェ、バーなど色々なシーンで楽しめます。私のお気に入りメニューは、ブランチタイム限定のパンケーキ。ぜひおすすめしたい逸品です。
宇治茶の老舗「中村藤吉本店」の「まるとパフェ[抹茶]」もおすすめです。抹茶アイス、抹茶ゼリー、白玉に栗まで入っていて、食べ進むのが楽しい!甘すぎないので、ぺろりと食べられちゃいます。京都散策に疲れたら、冷たく甘いスイーツでクールダウンしてくださいね。
京都駅にも店舗(京都駅店)があるので、西本願寺にご参拝の前後にもぜひ食べてみてください。
(20代女性僧侶・Aさん)