2022年J1第23節 浦和レッズ対川崎フロンターレ レビュー「撤退戦だから覚えられることがある」
2022年J1第23節 浦和レッズ対川崎フロンターレは3-1で浦和レッズが勝ちました。
ルールを守ることは自分を守ることだ
僕が就職したばかりのころ、僕の面倒をみてくれていた師匠がよくこんなことを話してくれました。
就職したばかりの頃、社会に存在する様々なルールに対して、若かった僕はいちいち反発していました。こんなルールないほうがいいのではないか。そんなことを考えていた僕に対して、師匠はこんな言葉をかけてくれました。
ルールとは社会にいる人たちが暮らしやすいように制定されています。環境の変化によって変えたほうがいいルールもあるかもしれませんが、民主主義の国では個人の思いつきで変えるのではなく、様々な証拠と多くの人の同意を得ることでルールを変えることができます。上手くいかないから明日からルールを変えます!というわけにはいかないのです。
スポーツもルールを守るということが前提で成り立っています。サッカーで相手に対して暴力をふるう対戦相手との試合では、そもそもサッカーの試合として成立しない可能性があります。双方ルールを守ってプレーするという前提があるからこそ試合が成立するわけで、ルールを守るということはサッカーをする上での大前提だといえます。
川崎フロンターレというチームは「人のせいにしない」「モノのせいにしない」「環境のせいにしない」ということを突き詰めて、自分たちにできることはなにか、改善できるポイントはなにかを考え続け、改善を続けた結果、Jリーグでタイトルが取れるようになったチームです。最近ファンになった人はご存じないかもしれませんが、失敗もたくさんしてきたチームです。
だからこそ、この試合に臨む川崎フロンターレの姿勢は川崎フロンターレらしいと思いました。延期を申し出ることも出来たのかもしれませんがルールはルール。ルールの範囲内で試合をすることを選択しました。「人のせいにしない」「モノのせいにしない」「環境のせいにしない」という選択をしたわけです。思い返すと、浦和レッズもシーズン序盤は新型コロナウイルスの感染者増加で苦戦を強いられたチームです。浦和レッズとの試合でこういうことになったのは偶然ではない気がします。
誰かが悪い、あれが悪い、周りが悪いと口にするより、今の状況を打開するためにどんなことができるのか。自分に何ができるのか。そんなことを考えさせられた試合でしたし、できれば両チームベストのコンディションで対戦したかった試合でした。
余談ですが、ルールデザインに関する書籍としては水野祐さんのこの本がおすすめです。
試合のレビューに戻ります。
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