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【映画感想文】 『どうすればよかったか?』 どうすることもできない気がして。


どうすればよかったか?


映画を見終わった後、ずっとその答え考えている。

日本には現在、80万人もの患者が総合失調症を患っており、総合失調症は約100人に1人の確率で発症するといわれているらしい。
多い。
かなり多い。
この先私が発症することも珍しくはないのだ。

原因不明の精神疾患。

それも、時代が時代で今のように広くこの病気が認められていたわけじゃない。

総合失調症を認めず、隠そうと家に閉じ込める両親。
両親だって、娘を大切に思っているのは映画からみてとれた。
だからこそ、痛い。
見ていられない。

結局、発症から25年が経ち、やっと病院に正式に治療を行うことになった姉。

25年。
恐ろしく長い年月。

ドアに南京錠をかけられ、
ほとんど誰とも会わず、ほとんど家で過ごした25年。


どうすればよかったか?


もっと早く治療すべきだったのか?
もし早く病院に行けていたら、もっともっと家族みんな幸せだったかもしれない。

ほんとうに?

総合失調症は原因不明な精神疾患。
症状を抑える薬こそあるが、完治する確率は約25%〜30%。

お姉さんは完治していたのだろうか?
完治していたとして、実際どうだったんだろう。
元通りのお姉さんに戻れていたのか?
いや、そもそも元通りなんてものはなかったのかもしれない。

彼女は、
幸せに生きられたのか?
幸せに生きたと思られたか?
あの25年間何を思い続けていたのか?

その答えを姉から映画では直接聞けれなかった。



じゃあ、両親はどうだったんだろう。

夜中に突然奇声を上げたり、奇行をする姉をずっと見てきて、一緒に暮らしてて。

普通耐えられなくなるのに、
けど、病院には、外には、連れ出さない。

夜中に暴れる娘に何を思っていたのか?
娘と生きてきて幸せだったか?

やはりその答えも聞けなかった。


ただ、最後に監督が父に
「どうすればよかったか?」と問う。

失敗だとは思ってない、と。

私も、失敗ではないと思う。
失敗、成功でこの問題は解決するものじゃないけれど。

けど、どうしても25年という年月が頭を掠める。


私が仮に、監督(総合失調症の姉を持つ)の立場だとして、何ができたんだろう。
なかなか総合失調症を認められない両親を弟の立場で説得できただろうか。

どうすればよかったか?

どうすることもできない気がして。

どうすることもできない気がして。



あー。

重い。



今日は感情の起伏が激しい日だったわ。

朝にこの映画を見て、悶々としながら、
夜にはM-1グランプリを見る。


すごく俗な言い方になるけど、
考えさせる映画だった。








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